香港に移住してDJとして活動する元セクシー女優の浜崎真緒(33)が、ナイトクラブで何者かに薬物を盛られた疑いがある事件で、香港警察は2日、61歳の男を逮捕した。男は浜崎が最初に出演したナイトクラブの責任者で、事件現場となった別の店に誘った人物だったという。さらに事件に関与した疑いがある別の2人の行方を警察が追っている。香港メディア「星島頭條」などが3日、報じた。

 事件が起きたのは1日未明。浜崎は10月31日夜、香港・湾仔(ワンチャイ)のナイトクラブでDJ出演を終えた後、尖沙咀(チムサーチョイ)にある別のナイトクラブに移動。そこで薬物が混入されたとみられる飲み物を口にし、全身にけいれんを起こすなどして病院に搬送され、一時は集中治療室(ICU)に入院した。香港メディア「香港01」が1日、浜崎のマネジャーに取材したところによると、湾仔での仕事を終えた浜崎は、現場にいた「大口客」から尖沙咀のプライベートパーティーで引き続きDJをするよう誘われた。

 マネジャーは普段、こうした私的な会場での仕事を断っているが、相手から「顔を立ててほしい」と繰り返し説得され、専任スタッフが対応するとの保証もあったため、同行することを条件に了承したという。

「香港01」によると、浜崎は現場でサイコロゲームに負け、罰ゲームとして酒を飲むことになった。ウイスキーだと思ってマネジャーに味見をさせたところ、甘かったため普通のカクテルだと判断し、飲み干してしまったと伝えた。

 一方、「星島頭條」は見知らぬ男が浜崎にオレンジジュースとみられる飲み物を差し出したと報じている。浜崎はその後もDJ出演を続けたが、終了後に倒れ、けいれんを起こして動けなくなった。マネジャーが警察への通報を求めた際、現場にいた人物から「そんな大ごとにするな」と制止されたという。

 警察は2日、香港島の中環地区で61歳の地元男性を「他人に危害を与える意図などで毒物を投与した疑い」で逮捕した。

 関係者の話では、男は湾仔のナイトクラブの責任者で、浜崎を尖沙咀の事件現場に招いた人物だった。ただし、男が実際に薬物混入に関与したかどうかは捜査中で、氏名や詳しい経歴も明らかになっていない。さらに、事件に関与した疑いがある別の2人の行方を警察が追っていると「星島頭條」は関係者の話として伝えている。

 香港では、バーやナイトクラブで客の飲み物に薬物を混入する「落薬」と呼ばれる犯罪が以前から問題となっている。香港警察は公式サイトで、睡眠薬などを飲み物に混入し、意識がもうろうとなった客からキャッシュカードを盗む手口について注意を呼びかけている。

 不可解なのは、大勢の客やスタッフがいるナイトクラブで、なぜ浜崎に薬物が混入された疑いのある飲み物が渡されたのかという点だ。性的暴行や強盗が目的だったとしても、人目が多い場所では容易に犯行には及べない。では、ほかにどのような目的が考えられるのか。

 元警察関係者は「日本では性的暴行や昏睡強盗を目的とした薬物混入事件がありますが、海外でも動機はさまざまです。人前で薬物の影響が現れる様子を面白がる悪質ないたずらや、相手への嫌がらせ、イベントを妨害する目的も考えられます。また、薬物を使って場を盛り上げようとする無責任な行為だった可能性も否定できません。ただ、薬物を飲ませた後、別の場所へ連れ出す意図があった可能性もあり、現段階で動機を絞り込むのは困難です」と指摘する。

 浜崎は2日に退院。自身のSNSで人生で初めて薬物の恐ろしさを体験したと明かし、飲み物を自分の目の届かない場所に置かないよう注意を呼びかけた。逮捕された男と行方を追われている2人は、事件にどのように関わっていたのか。犯行動機の解明が待たれる。