マライア・キャリーは、実兄のモーガン・キャリー氏が起こした2000万ドル(約32億円)の名誉毀損訴訟で、棄却を勝ち取った。米誌ピープルが20日、報じた。

 ニューヨーク州最高裁判所のレスリー・A・ストロス判事は19日、モーガン氏が2021年に提訴した訴訟で、マライアが2020年に出版したベストセラー自伝「ザ・ミーニング・オブ・マライア・キャリー」の中で書かれた内容について「悪意」を持っていたことを証明できなかったとの判決を下し、モーガン氏の「自身の評判を傷つけ個人的な苦痛を与えた」との訴えを退けた。

「原告は、被告がマライアの自伝の『商業的実現可能性』を、彼女の発言の真偽を確認することよりも重視しており、被告がそのような発言の情報源としたのは匿名または検証不可能なものであると主張している」と判決文には記されている。

 66歳のモーガン氏は訴訟の中で、妹のマライアが彼を「暴力的な男」として描写し、「粉末状のパーティーグッズ」を密売していたことや、幼少期に「行動上の問題」があったと主張したことで、自身の「優れた評判」が傷つけられたと主張していた。

 またモーガン氏は損害額が「2000万ドル(約32億円)を超えるとみられる」と主張していた。

 しかし、ニューヨーク州の反SLAPP法では、「原告は、明白かつ説得力のある証拠によって実際の悪意を立証しなければならない。つまり、問題となっている発言が虚偽であることを知っていたか、虚偽であるかどうかを無謀に無視してなされたこと、そしてそのような発言の真偽が問題となっている訴訟原因にとって重要であること」を立証する必要があるとされている。

 裁判官は、モーガン氏がこれを「十分に」行わなかったと判断した。

 マライアの弁護士ジョン・ローゼンバーグ氏はグラミー賞を5度受賞したマライアが「裁判所が彼女の自伝が公共の利益に関わる重要な問題を取り上げていることを認め、彼女の兄による名誉毀損の訴えを全面的に棄却したことに満足している」との声明を出している。

 一方、モーガン氏の弁護士リチャード・アルトマン氏は、ローリングストーン誌への電子メールでの声明で「今日の判決は、この事件における過去の判決と全く矛盾しているため、我々は敬意をもって異議を唱える。近いうちに控訴するつもりだ」と述べている。