福岡を拠点に活動する女性アイドルグループ「九州女子翼」が、8月30日にキャナルシティ劇場でのラストライブをもって約9年の活動に幕を下ろす。実玖、詩絵里、鈴川瑠菜、花音、木城杏菜の5人が、活動終了を前に胸の内を明かした。オール生歌と激しいダンスを武器に駆け抜けた軌跡をたどる。

 活動終了が決まった当時を振り返り、実玖は「どうしようという驚きというより、『その時が来たんだな』という感じでした」と静かに語る。結成当初は「自分がやらなきゃ」という思いも強かったが、活動を重ねる中で、それぞれが得意分野を担い、互いを支え合うグループへと成長した。「私が思い描いていた通りのグループになったと思います」と語った。

 2017年に福岡で結成された九州女子翼は、「全国・世界へ」を掲げ、18年には国内最大級のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」全国選抜ライブ九州・沖縄ブロックを制して本大会に初出場。実玖がHKT48の指原莉乃から「かわいい」と評価されたことも話題となり、「一気に女子翼の名前が広がった感覚がありました」と当時を懐かしんだ。その後も全国やタイ、台湾へ活動の場を広げ、24年3月には結成当初から目標に掲げてきたZepp Fukuokaでのワンマンライブを実現した。

 22年加入の花音は「『遠慮なく意見を言ってね』と言ってもらえたので、本当に何でも言い合える関係でした」と笑顔を見せる。「今のこの5人が私にとって一番大事。1人でも欠けるなら、このグループではないと思いました」。九州女子翼を一言で表すなら「愛」。その言葉にはメンバーとファンへの思いが込められていた。

 最年少の木城杏菜は歌もダンスも未経験で飛び込んだ。「こんなに強い4人の背中を見ていたら、自分も成長できると思いました」。未経験からステージを重ね、「この5人で続けられるなら、もっと続けたかった」と率直な胸の内を明かした。

 ファンとして九州女子翼に憧れ、メンバーになった鈴川瑠菜は「人生そのものになっていました」と活動を表現する。当初、客席には空席も目立ったが、パフォーマンスや楽曲、グループ性に大きな可能性を感じ、「もっとこのグループを大きくしたい」と加入を決意した。

鈴川瑠菜(左)と詩絵里
鈴川瑠菜(左)と詩絵里

 詩絵里は結成当初から、一貫して音楽と向き合ってきた。「この9年で、自分がやりたかった音楽は後悔なくできたと思います」。対バンライブで特典会に1人しか来てもらえず悔し涙を流した日もあったが、それでも「女子翼だからできるライブ」を追い求め続けてきた。

 活動を始めた時期も、九州女子翼と出会ったきっかけも5人それぞれ違う。それでも、仲間を信じ、ファンへの感謝を胸に歌とパフォーマンスを届け続けてきた思いは変わらなかった。ともに歩んできた日々は、5人にとってかけがえのない宝物となっている。

 実玖は「女子翼に出会ってくれて、好きになってくれてありがとう。皆さんにとって、これからも頑張ろうと思える1日になればうれしい」とファンに向けてメッセージを送った。約9年間、九州から全国、そして世界へ羽ばたいた5人の歩みは、多くのファンの心に刻まれている。

九州から全国へ羽ばたいた「九州女子翼」
九州から全国へ羽ばたいた「九州女子翼」