モンスター自らビッグマッチ実現を明らかにした。ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が17日、都内で行われた年間表彰選手表彰式で最優秀選手賞(MVP)を8年連続9度目の受賞。WBA・WBC・WBO世界バンタム級1位の中谷潤人(28=M・T)と今年5月に東京ドームで対戦することを明言し、一般的な勝敗予想を「割れてますから」と認識しながらも、勝利に自信を示した。

 昨年の表彰式では中谷に対戦を呼びかけるサプライズを見せた井上。またもMVPを受賞した今年はサプライズはなかったが、スピーチで「今年5月、東京ドームで中谷潤人と本気でぶつかります」と高らかに宣言した。

 2年連続の技能賞を受賞した中谷とはこの日、両者が前戦を行った昨年12月のサウジアラビア興行以来の対面。昨年の両者は笑顔で言葉を交わしていたが、今年は壇上で目を合わさず、言葉も交わさず。井上は舞台裏でもそうだったといい、「対戦も決まっているんで、会うと意識しますし、特別な気持ちにはなります。次の対戦相手として意識していますし、そこは当たり前」と、すでに臨戦態勢であることを強調した。

 約9年5か月ぶりとなる日本人との対戦で示したいことを問われると、「久々の日本人との戦いですし、井上が勝つ、中谷が勝つ、と(予想が)割れてますから。少なからず両者の声があると思うので」と、一般の勝敗予想を想定しながらも、「まだまだだぞ、というところをしっかりと見せつけたい」と〝政権交代〟を許さないことに自信。中谷はサウジアラビアでセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)に小差の判定勝ちにとどまったことで、評価が下がったとの見方もあるが、井上は「僕はそうは思わない。あの相手の地味な強さを知っていますから。その相手にフルに戦い抜いたのは彼の財産でもあるし、むしろ、逆に成長させてしまった一戦ではあるかなと思っています」と警戒を強めた。また、中谷戦が現階級での集大成になることも明言した。

 一方の中谷は井上と舞台裏では「目は合っていた」と笑顔で話しながらも、「しゃべってはいないです。戦うので、なるべくほかの感情はなしにして戦いたい」と、同じく臨戦態勢。「ベストな選手なので、ベストな状態にして戦わないと、と思っている。前戦が終わってからたくさん反省点が見つかって、そこと向き合えている時間があるので、しっかり発揮したい」と気持ちを引き締めた。

 勝利の自信について問われると、「これから作り上げていく部分もたくさんありますし、チームと合流して、より戦略だったり、そういったところも固まっていくと思う。ここから、動ける体を作っていく上で、より自信が増していくと思う」と、決戦へ己を磨いていくことを誓った。

 勝った方が日本一のボクサーになることは間違いないだろう。