“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、1人が体調不良のため約2年間休養し、昨年暮れに舞台復帰を果たした、今後の復活に期待がかかる女性コンビを取り上げる――。
私が尊敬している芸人さんです。
【プロフィル】
コンビ名‥爛々
所属事務所‥吉本興業
養成所‥NSC大阪39期生
結成‥2017年
写真左‥萌々(もも)
生年月日‥1997年11月28日
写真右‥大国麗(おおくにうらら)
生年月日‥1990年9月24日
漫才がとても面白い女性コンビです。結成が2017年なのに、その年のM―1グランプリで3回戦進出。19年には「THE W」で準決勝と、結成してすぐに名前が多くの方に届いたエリート漫才師です。
萌々さんは結成当時、まだ20歳だったにもかかわらず、もう漫才の間とテンポと型が出来上がっていました。しゃべるスピードが速く滑舌もしっかりしており、力強いので聞きやすい。人前で心地よくしゃべるという話術はすごく難しく、10年以上やっても自分のテンポを見つけられない人も多い。デビュー直後にそれができていたのはホントにすごいことです。
大国さんは話すスピードが遅く、お姉さんのような立ち振る舞いで、萌々さんを包み込んでくれる懐の深さを感じさせる姿勢は美しい。聞き役側になることが多いが、存在感がある。萌々さんのジャマにならず、血縁関係かと思わせるほどの空気感で漫才を進めていきます。
爛々のすごいところは2人とも笑いたくなる空気になってしまうところです。コンビだと、どうしてもメインばかりが面白くなってしまい、もう1人はフューチャーされなくなってしまいがちですが、爛々は2人とも面白い。相性がものすごくいいのでしょう。
1年目から安心感のある漫才ができていた。ただ誤解しないでほしいのは、決して無難なネタをしているということではありません。攻めたネタをやり、闘志みなぎる漫才が結果的に面白い。それが「安心感のある漫才」ということです。
芸人がネタをやっている際、お客さんを不安にさせることは多々ある。例えばセリフを忘れたり、テンポが悪かったり、コンビの掛け合いが不自然だったり。でも爛々のようにニン(芸人の持っている個性)がしっかりしていると、もし何かアクシデントが起きてもお客さんを不安にさせることはない。そんな安心感が最高なんです。
漫才を見れば見るほど人間味があふれ出ていて、相方に対してのリスペクトも感じさせながら切れ味のある話術、そして面白さもしっかりあるので、いずれ吉本の最高峰であるなんばグランド花月(NGK)のトリを取る可能性もあるコンビだと思って見てました。
22年には「THE W」で決勝進出するなど順風満帆でしたが、残念ながら23年8月に大国さんが体調不良のため休養されました。萌々さんはその後、ピンで活動し、「THE W」では24、25年と準決勝に進むなど活躍していました。
そして昨年暮れ、萌々さんの単独ライブに大国さんがサプライズで登場し、悪性リンパ腫と脳炎を患っていたことを告白しました。さらに今年1月5日、爛々のユーチューブチャンネルにアップされた「【ご報告】大国麗のこと、爛々の今後についてお話しします」という見出しの動画に2人で出演し、大国さんの病状などを報告されております。
そこでの2人の優しそうな雰囲気を見ると、より応援したくなります。萌々さんは相方をツッコみながら、気遣いと優しさと繊細さがダイレクトに伝わってくる。これを見ると萌々さんの面白さの根底は、人に対しての配慮や思いやりなのかも、と思ってしまいます。
大国さんは今もリハビリ期間中で、まだ後遺症もあるそうなので、完全復帰できるか分からない状況のようです。でも爛々の面白さは2人の社会性の高さや人への思いやりから来ていると思うので、今後も2人にしか出せない笑いを生み出してくれるのではないかと期待しています。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












