【取材の裏側 現場ノート】大相撲の元大関・朝乃山(31=高砂)が、1年半ぶりに幕内の土俵へ戻ってくる。先の九州場所では十両で12勝をマーク。次の初場所(来年1月11日初日、東京・両国国技館)での幕内復帰が確実となり「今年1年は再入幕が目標だった。幕内に戻ってどこまで通用するか分からないけど、取りあえず、三役に戻りたい」と決意を新たにしている。

 どん底を2度も味わった。大関時代に不祥事で6場所出場停止となり、三段目まで転落した。復帰後は小結まで番付を戻したが、昨年の名古屋場所で左ヒザの前十字靱帯を損傷。長期休場を余儀なくされ、三段目に逆戻りした。そこから地道な努力で番付を上げ、再びつかんだ最高峰の舞台。ただ、本人が言うようにどこまで通用するのかは未知数だ。

朝乃山の師匠・高砂親方(元朝赤龍)
朝乃山の師匠・高砂親方(元朝赤龍)

 師匠はどう見ているのか。高砂親方(元関脇朝赤龍)に聞くと「(九州場所は)稽古場でも調子が良かったので、心配ないと思っていた。あとは馬力が戻れば、もっと押されないようになる。まだまだ上があるから。もちろん、元の番付(大関)に戻ってほしい」。師弟で目指す目標をはっきりと口にする。さらに「ずっと前向きな気持ちで取り組んできたから。精神的にも強くなっていると思う」と復帰過程での心の成長も指摘した。

 朝乃山は次の場所へ向けて「自分の新しい相撲人生の勝負だと思っている」と闘志を燃やす。幕内の土俵で、完全復活を果たす姿を見てみたい。(運動部・小原太郎)