俳優の竹野内豊(54)、堺正章(79)と風吹ジュン(73)が都内で31日、フランスの名優カトリーヌ・ドヌーヴ(82)と共演した映画「SPIRIT WORLD―スピリットワールド―」の全国拡大公開初日記念舞台挨拶に登壇した。

 死んだ父ユウゾウ(堺)の遺言を果たすため、幼いころ家を出て行った母メイコ(風吹)を探す旅に出るハヤト(竹野内)。死後の世界でユウゾウは、生前ファンだった仏歌手クレア(ドヌーヴ)と出会い、見えない存在ながらクレアと息子の旅を見守り…という話だ。

 昨年の1~3月、群馬と千葉で撮影。竹野内が「カトリーヌ・ドヌーヴがですね、日本のこの景色の中でお芝居をする姿を見るだけでも貴重で、価値のある映画」と言えば、風吹も「本当にナマの彼女が見れる映画」とアピールした。

 そんなドヌーヴと意気投合したのが堺。シンガポール人のエリック・クー監督(60)が明かした。「非常にいいケミストリー(化学反応)があって、堺さんはいつも冗談を言っていたりとかするような、そういった雰囲気も現場ではありました」

 2人はダメ出しできる仲でもあった。千葉の海を2人で見て、堺が歌を口ずさむシーンでは、ドヌーヴが「どうしたらもっと盛り上がるかしら?」と言い出し、撮影を中断してまで話し合ったそう。

「非常に細かく彼女の方からの質問があったので、『じゃあこういうのはどうか、ああいうのはどうか』ということを、チラッと私がカトリーヌさんに提案したんですが、それは全て却下されましたね」(堺)

 クー監督が来日するたび、またロケの途中でも、堺は監督が大好きな日本のお酒をプレゼント。堺によれば「少しでも僕のカットが多くなればいいということでやったんですけれども、大して効果はなかったようです」とのことだ。

 ムードメーカーの堺は、この日もそんな自虐エピソードで場を盛り上げた。対して壇上の竹野内は大人しく、真面目を絵に描いた男という雰囲気を醸し出していた。クー監督いわく「(劇中で)竹野内さんには繊細さというものを表現していただきました。この繊細さというのがやはり、この役柄には非常に重要な部分」。

 そんな竹野内が、MCの奥浜レイラに「竹野内さん」と左から声を掛けられ、右に向かって「はい」と返事する、まるでコントのような場面があった。奥浜に「こちらに私、おります」と言われ、左に振り返った竹野内は「またやっちゃった」と照れ笑い。客席をほぼ埋め尽くしたファンは、竹野内同様に上品で、静かに爆笑していた。