トランプ米大統領が27日から2泊3日の予定で来日する。ホスト役となる高市早苗首相は就任したばかりのドタバタの中で政権の行方を左右する大仕事となる。安倍晋三元首相の遺品から石破茂前首相の人脈までフル活用して、難局を乗り越えたい考えだ。

 トランプ氏の来日は2019年の第1次政権以来、約6年ぶり。27日にマレーシアから東京に入り、皇居で天皇陛下と面会する。28日の日米首脳会談後には、米大統領専用機「マリーンワン」に高市首相と同乗し、横須賀基地へ移動。原子力空母ジョージ・ワシントンを視察する。29日にAPEC出席のため、韓国へ出発する予定だ。

 高市首相は25日、電話で初めてトランプ氏と会談したことを明かし、「快活で楽しい方」と印象を述べ、「日米同盟の強化は私の政権で外交・安全保障の最重要事項」と伝えた。トランプ氏も報道陣に「高市氏は偉大な人物だった安倍氏の親友だ。彼女をとても気に入っていた」と好意的な姿勢を示した。

 既に高市首相は入念な〝トランプシフト〟を敷いている。まずは安倍氏の遺品をお土産に準備している。16年にトランプ氏の大統領就任直前、安倍氏は本間ゴルフの金色ドライバーを手土産にし、ゴルフ外交で絆を築いた。生前に安倍氏が使用していたゴルフクラブのほかに松山英樹のサイン入りゴルフバッグ、金沢伝統工芸の金箔ゴルフボールなどを贈呈する予定で、昭恵夫人も同意しているという。安倍氏の正式な後継者であることを証明するお土産となる。

 ホスト役も旧知の人材を揃えた。石破前政権の赤沢亮生経済再生相(当時)は関税交渉でMAGAキャップをかぶっておどけるなどして、トランプ氏の懐に入ってみせた。その実績と継続を買われ、新政権で経産相となった。

「今後の関税交渉の取りまとめは茂木敏充外相が務めます。第1次政権で日米貿易協定の担当役で、トランプ氏が〝タフネゴシエーター〟と認めたほど。赤沢氏は5500億ドルの対米投資担当になる。石破氏の最側近を自称する赤沢氏の残留どころか格上げはサプライズでしたが、本人も大喜びしていた」(永田町関係者)

 早速、赤沢氏は関税交渉で「ラトちゃん」と呼ぶほど仲良くなったラトニック商務長官を26日、浅草寺や東京スカイツリーに案内。ラトニック氏は赤沢氏が残留したことを歓迎しており、人事の狙いはトランプ氏にも伝わったとみられる。

 高市首相は米側から要望されている防衛費のGDP比2%への引き上げ目標を2年前倒しし、今年度中に実現することを表明。トランプ氏が「日本でアメ車が走っていない」と不満を漏らしたことにも米フォードのピックアップトラックを公用車で100台以上、導入する案を進めており、いずれも日米首脳会談でのアピール材料としたい考えだ。トランプ氏の心をつかむことができるか。