トランプ米大統領の厳しい関税政策は各方面で批判を呼んでいるが、音楽業界に与える影響について、全米音楽製造者協会(NAMM)のジョン・ムリンチャック会長がワシントDCで証言を行った。米音楽誌「ギター・ワールド」が13日、報じた。
8日に行われた全米製造業者協会と、同協会が1万社を代表する米国と通商代表部(USTR)第301条委員会で演説したムリンチャック会長は、昨年にも表明した時と同様に、音楽楽器業界に与える影響について批判を繰り返した。
同会長は、トランプ関税の「予測不可能性と突然性」により、企業は「計画を立てたり、適応したり、進化したりする時間」を与えられず、数十億ドル(約数千億円)規模の産業に永続的な悪影響を及ぼしたと語った。
「関税は、米国企業、手頃な価格で楽器を入手できることを頼りにしている何百人万もの学生にとって不利な状況を作り出している。私たちの業界は、何世代にもわたって築かれてきたグローバルなサプライチェーンに依存している。国内の生産能力を拡大することなくコストを増加させる政策は、最終的に音楽教育への参加を減少させ、米国の長期的な競争力を弱体化させる」と同会長は訴えた。
ギター、アンプ、エフェクターなどのメーカーは部品の一部を海外から調達することが多く、そのため米国製の製品でさえ関税の影響を受けている。その結果、ニューヨークに本社を置くエレクトロ・ハーモニックスの創業者マイク・マシューズ氏は、今後も利益を上げ続けられるのか疑問を呈しており、オハイオ州のエフェクター会社、アースクエイカー・デバイセズは倒産の危機に直面しているという。
企業がコスト増を吸収するか、消費者に転嫁するかを議論する中、真空管アンプの老舗モーガン・アンプス社は、関税によってアンプヘッドの価格が1000ドル(約15万7000円)以上も上昇すると発表した
そのため、ムリンチャック会長は、195億ドル(約3兆円)の世界市場のうち、米国の音楽製品産業が90億ドル(約1兆4000億円)を占めていることを強調しつつ「世界の音楽製品の44%が米国で販売されている現状では、国内の生産能力だけでは需要を満たすには不十分です」と訴えた。
さらには「米国でプロ用楽器を製造している多くの企業は、初心者や中級レベルの学生やミュージシャンの需要を満たすために海外生産にも頼っており、最初の接触から米国のブランドと小売業者への忠誠心を築き上げています」とトランプ氏に訴えていた。












