アイドルグループ「SKE48」が10月5日で劇場デビュー17周年を迎える。名古屋最大のアイドルグループはこれから何を目指すのか。SKE48の統括責任者である齊藤哲也第1マネジメント事業部部長補佐(61)を直撃。インタビューを5回にわたってお届けする。第1回ではグループのベースにあるチーム制について熱く語った。

【SKE48・17周年記念インタビュー(1)】
 ――齊藤部長補佐はレコード会社の立場からグループを支えてきた

 齊藤 私は最初はCBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)でアルバイトをしていましてそこからテレビの制作会社THE W0RKSを経てヴァージン・ジャパンという洋楽の会社でディレクターをしていました。その後、東芝EMI(現ユニバーサルミュージック傘下レーベルEMI Records)で15年働きポケットビスケッツやSomething Elseを担当。2006年からエイベックスに移り東方神起やmisonoなどを担当してきました。

 ――SKE48が2011年にエイベックスに移籍してからずっと担当

 齊藤 SKE48だけでなく指原莉乃、柏木由紀、岡田奈々のソロ作品、たこやきレインボー、超ときめき♡宣伝部などのアーティストとも関わっていました。

 ――昨年からはSKE48のマネジメント部門のトップとなった

 齊藤 一昨年、エイベックスを定年退職。そこからは業務委託という形で関わっていたのですが、2028年にSKE48が20周年を迎えるにあたってしっかりとグループの土台を整える、いろいろな形で勝負していくということを一緒にやれないかというお話を(SKE48の所属事務所である)ゼストからいただきまして昨年9月から統括責任者も兼務することになりました。そこでまずメンバー、スタッフ全員を集めて私の考えを伝えました。

 ――どのような内容ですか

 齊藤 今のアイドルシーンは「とき宣(超ときめき♡宣伝部)」や「FRUITS ZIPPER」「CANDY TUNE」「=LOVE」などSNSを駆使して女性ファンにも訴求できるような、いわゆるカワイイをキーワードとしたカルチャーが中心になっていて、その点においては、SKE48はその流れに乗れていない現状がある。けれども自信を持ってほしいことはSKE48には長い活動の歴史があり、ヒット曲もあり、何よりも地元の媒体、企業の皆さんと共に歩みグループ活動を継続し続けていることが大事だということです。時代に合わせたマーケティングやプロモーションも必要ですが、一喜一憂せず、アイドルシーンの中でサイクルが変わるタイミングが必ずあるので、その時1番に注目されるグループになれるよう日々努力し、グループの強みでもあるパフォーマンス力を鍛えてチャンスが来た時に一気に開花させようということ。その中で大きく3つのポイントを挙げていきました。

 ――どんなことですか

 齊藤 1つはAKB48グループは所属メンバーが多く、現在、SKE48のメンバーは54人(※AKB48グループ最多)おり、これは他のアイドルグループと違う点です。この54人がそれぞれの個性を磨き、強みを作ることができれば54通りのグループを知っていただける入り口ができる。だから個人としての強味を強化してしっかり頑張ろう。今の時代、SNSを駆使すれば自分で発信できる。自分の努力でチャンスをつかむためにも、個人の強み、一芸をアピールできるメンバーになってほしいと伝えました。

 ――人数が多いということを生かしていく

 齊藤 そうです。2つ目はSKE48を好きな人にもっと好きになってもらおう。でも好きな人たちだけのものにならないようにしようということです。SKE48は今まで応援してくださっているコアなファンの皆さんと一緒に成長してきたグループです。熱いファンの皆さんが支えてくださっているから、今の数字(売り上げ)をキープできてる。改めてコアなファンの皆さんには感謝していますし、すごく大事な存在です。応援してくださっている方たちにもっと喜んでもらえること、もっと好きになってもらえることを考えていこうと。それと同時に新しいファンを獲得するために好きな人たちだけのSKE48にしてはいけない。何をきっかけに興味を持ってくださるかわからないけれども、だからこその志で新しいファンの人たちに好きになってもらうためにどういうことをしなければいけないかをみんなで考えていこうとも話しました。

 ――新規ファンをいかに開拓するか

 齊藤 そのために私たちが今考えているのは、SNS戦略なんだということをメンバーに伝えました。それが2番目のポイントです。

 ――3番目は?

 齊藤 SKE48には17年の長い歴史があります。そのストーリーをファンの方々と共有しながら進んでいくことが応援していただけるきっかけにもなるし、メンバーたちも振り返れることで自分たちの成長がわかる。自分たちのストーリーを描けるようにそれぞれが意識してほしいということを伝えました。自分の将来の目標に向けて、今何をやらなきゃいけないのかという意識を持ってもらいたかったからです。

 ――多くのアイドルグループがある中でSKE48独自の個性を発揮していくことが大事

 齊藤 今のアイドルシーンの中で差別化を図るためのポイントはいくつもあると思いますが、私がSKE48にとって1番大事だと思っているのはチーム(※SKE48にはS、KⅡ、Eの3チームがある)なんです。チーム公演を頑張ることで個々のパフォーマンス力やMCの技術も上がっていくし、それがSKE48全体の成長につながる。選抜メンバーでなくてもチームの一員として劇場公演を行うことでメンバーたちはグループの一員である意識を高めています。チーム制がSKE48の魅力のベースにあるものだと思っています。

 ――AKB48は2023年にチーム制を休止、NMB48も今年10月でチーム制を廃止する。SKE48がチーム制をなくすことは?

 齊藤 全くないです。チームの中で劇場公演をしっかりやる。そのアイデンティティーは絶対に崩しちゃいけないと考えています。