第175回芥川賞・直木賞の選考会が15日、都内で開催され、芥川賞に小砂川チト氏の「ゾンビ回収婦」、直木賞に朝倉かすみ氏の「けんぐゎい」が選ばれた。
小砂川氏は「胸がいっぱい。人生にこういうことが起こることもあるんだなという…。すいません、ちょっと頭が真っ白です」といい、「今は本当に夢の中にいるような感覚。すごくこの会場も非現実的」とはにかんだ。
「ゾンビ回収婦」は、AIが発達した社会を舞台に、VR世界を描いた。これら近未来的な設定を踏まえ、現実世界におけるAIの変化や小説のあり方についても言及。
「変わっていくんでしょうかね。活字を読まれない方が増えていると聞きますが、紙の本の魅力やニーズは、なくはならないんじゃないかな」と思いをはせた。
また、「AIがいくら上手に素早く面白い小説を書いてきたとしても、かといって書くのをやめるかといったらそうでもない。まだ自分が作りたいと思ううちは、作っていいのかなと考えている」と話した。
取材のつもりで、VRゲームを実際に購入したという。「2、3分でVR酔いしてしまって、ちょっと遊べなかったです」と語った。
朝倉氏は「直木賞を授けてくださったことに深く感謝します」とにっこり。「候補になった時は本当にうれしくて号泣レベルで泣いてしまった」と明かした。
「けんぐゎい」は、江戸時代が舞台の時代小説で、痘痕を患う主人公を中心に、女性の尊厳を描いた。
「時代小説を書いたのは初めて。慣れないことばかりで、とにかく夢中で書いていました。こんな好きなように書いて候補にしてもらえてうれしかったです」
「現代小説のように細かいところは書けなかったので、そこでますます夢中になって書きました」と振り返った。
〝小説の根〟について問われると「それはわからない。けれど初めて小説で賞をいただいたのも、コンプレックスを抱いた女性の話。そういうのをずっと書きたいのだと思いました」と語った。











