【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。アメリカのトランプ大統領が大暴れ。関税問題では1日、日本に対しすでに決めた24%より高い30~35%の関税を課す可能性を示しました。連日の大立ち回りで世界中をひっかきまわしている大国アメリカの指導者の動向に今後も注目です。

 そんなニュースに関連し今週は、アメリカをローマに見立ててその社会問題を描いた新作映画「メガロポリス」を紹介します。

 舞台は21世紀アメリカの大都市ニューローマ。新都市メガロポリスの開発を進めようとする天才建築家のカエサル・カティリナは、利権にすがる市長と対立。さらに策謀に巻き込まれ絶体絶命のピンチに陥る、というストーリーです。

 今作は、映画史上最高傑作と名高い「ゴッドファーザー」で知られる巨匠、フランシス・フォード・コッポラ監督の最新作です。なんと構想にかけた時間は40年。私財186億円を投じて製作した壮大な自主製作映画になっています。

 今作のポイントは、現代のアメリカをローマに置き換えた意味だと思っています。要はこの映画って、パクス・アメリカーナをその語源「パクス・ロマーナ」が生まれたローマにかけ合わせて見つめ直しているんですよ。第2次世界大戦後、アメリカ合衆国の強大な軍事力・経済力で世界に平和がもたらされました(パクス・アメリカーナ)が、ここ最近はどうでしょうかということなんです。

 イスラエル、パレスチナの紛争問題や移民問題、関税の問題もそうです。アメリカがアメリカ優先の政策をやればやるほど世界から反発が来て、あのローマ帝国のように衰退していってしまうのではないかということを暗示しているんだと思ったんです。

 ニューローマは貧困層と富裕層の格差が社会問題化しています。これはまさにアメリカの分断を鋭く描いている。さらに、主人公のカエサルは時を止める能力を持っているんですが、この能力も今のアメリカのリーダーにこそ必要だと訴えているといいますか。「ちょっと待てよアメリカ。このままでいいのか? 時を止めてやり直したほうがいいんじゃないか?」と問いかけるようなメッセージになっていると感じました。

 アメリカをもう一度偉大に、と大立ち回りを続けるトランプ大統領ですが、今後のアメリカはどうなるのか。ローマ帝国がたどったように衰退していくのか、再び繁栄を築いていくのか。そんな問いをぶつけた意欲作になっています。ぜひご覧ください。