【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。女優・のんさんが9日放送のNHKの藤子・F・不二雄SF短編ドラマ「換身」で主要な役を務め注目を集めています。4月27日放送のTBS系ドラマ「キャスター」で約11年ぶりに地上波ドラマに復帰。短期間で2回目の地上波ドラマ出演となりました。さまざまな騒動の影響で一時はテレビから遠ざかりましたが、それでも映画やアニメ、音楽など幅広いジャンルで表現活動を続けてきました。女優として完全復活を果たしたのんさんのさらなる活躍に期待が高まりますね!

 そんなニュースに関連して今週は、波瀾万丈の道を歩む大女優、デミ・ムーア(62)がハリウッドに叩きつけた衝撃の復活作「サブスタンス」(5月公開)を紹介します。

 映画はデミ・ムーア演じる50歳の元人気女優・エリザベスが主人公。仕事が減っている現状に気を病み、若さと美しさを備えた完璧な自分が手に入る違法薬品「サブスタンス」に手を出したエリザベスの破滅を描きます。

 今作のポイントは何といってもデミ・ムーアの快演。もはや“怪演”と言った方がいいのかもしれません。なぜそれほどまで圧倒的な演技になっているかといいますと、実はこの映画がデミ・ムーア自身の人生に通ずる物語だからなんですよね。彼女は、ろくろを回すシーンで有名な1990年の「ゴースト/ニューヨークの幻」で世界的なブレークを果たしたんですけど、その女優人生は波瀾万丈でした。アルコール・薬物依存に3度の離婚、しまいには全身整形疑惑なんかも出て、かなりのバッシングを受けて近年は仕事も減っちゃっていたんですよね。ハリウッド自体も、やはり年齢を重ねた女優は起用されづらくなる面がありますから。そんな状況で、若さと美に狂う元人気女優という題材の作品をハリウッドにぶつけてきて、アカデミー賞まで持ってくるんですよ。この映画は、年齢と美にこだわるハリウッドこそが女優を狂わせているんだというメッセージが含まれた、デミ・ムーアの逆襲的な作品なんじゃないかとも感じましたね。

 僕は紆余曲折があった俳優さんによるこの手の作品を復活枠と呼んでいます。復活枠はやはり気持ちを込めている分、圧倒的な演技になるものなんですが、女性でここまで鮮烈な自虐を入れたカムバックというのはなかなかない。あのデミ・ムーアがこの年齢になって裸を惜しげもなくさらして狂ったように演じる。まるで怪物なんですよ。ここまでやられるともうお手上げです。恐れ入りました。ハリウッドに高々とのろしを上げる一本になっていると思います。ぜひご覧ください。