イスラエルとイランが停戦したのは、米軍によるイランの核施設3か所への爆撃が奏功したとみられている。米空軍B―2ステルス爆撃機が21日、イランの地下深くのウラン濃縮施設「フォルドゥ」に、地中貫通爆弾バンカーバスター「GBU―57」を12発投下。トランプ大統領は「完全に破壊された」と述べた。とはいえこれで一件落着とはいかない。今後、イランが北朝鮮と接近する可能性が指摘されている。
トランプ氏が破壊に自信を持つ一方で、米国防情報局(DIA)の報告書が24日、米メディアのCNN、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなどに漏えいし、予備的な情報評価によると、核施設が十分に破壊されておらず、核兵器開発が数か月遅れたにすぎないと報じられた。
これにトランプ氏は「該当の報道はフェイクニュース。われわれは完璧な打撃を加えた」と反論した。実際、米メディア「アクシオス」は、DIA報告書は、たった1つの機関からの初期情報に基づいたものにすぎないと報じた。
また、イスラエル紙エルサレム・ポストは25日、イスラエル国防軍(IDF)のエフィー・デフリン報道官准将の発言として、「イランの核開発計画に相当な打撃を与えた。何年も後退させた」と伝えた。
分析結果がそれぞれ分かれているのも当然で、専門家たちは、イラン、国際原子力機関(IAEA)、あるいは第三者が山の下にあるフォルドゥのガレキを掘り起こすまでは損傷度合いは分からないとみている。
軍事事情通は「イスラエル諜報機関がイラン軍の通信を傍受したところ、イラン当局も被害を把握できていないようです。確実に分かっていることは、13日からのイスラエルによる空爆などで、イランのA級およびB級の核科学者数十人が暗殺され、数千台の遠心分離機が失われ、開発はしばらく困難だということです。そして、衛星写真などから、空爆前にトラック15台がフォルドゥから何かを運び出したということも確実です。イランが保有する60%と20%の濃縮ウラン400kg以上が秘密施設に移されたとみられています」と指摘する。
そのイランのアラグチ外相は、空爆を受け、核兵器の拡散防止を目的とした「核拡散防止条約(NPT)」から脱退する可能性を示唆している。脱退した場合、IAEAがイランの核施設を査察する権限を失う。
前出事情通は「これまでもイランはIAEAの査察を回避してきました。イスラエルと米国の諜報能力、監視能力からすれば、イランが自国内で秘密裏に核兵器を開発するのは困難でしょう。そこで海外の軍事シンクタンクは、イランは核兵器開発のために北朝鮮に協力を仰ぐ可能性があるとみています。北朝鮮は孤立し、国連安保理から経済制裁を受け続けてまで、核兵器開発を進め、核保有国となりました」と語る。
イランと北朝鮮はミサイル開発、核兵器開発において協力関係にあると報じられたことがある。また、中国とイランを結ぶ鉄道が開通したばかりで、中国からの貨物列車が5月25日にイランに到着したばかり。公海を通る海路ではなく、他国を通る陸路には米国、イスラエルも手出しできない。そして、中国と北朝鮮の関係は国境があってないようなもの。
「イランは濃縮ウランを隠しているが、施設がない状態です。イランが北朝鮮と協力し、秘密裏に核兵器開発を進めるという可能性は低いとはいえ、その可能性を排除できないと考えられています」と同事情通は話している。












