多くの舞台に出演する俳優の佐藤誓(62)とドラマで活躍する俳優の山西惇(62)が演劇ユニット「らんぶる」を結成して7月、旗揚げ公演「晩節荒らし」を上演する。これを受けた取材で、佐藤はイチから演劇を始める難しさを語り、山西はテレビ朝日系「相棒」シリーズで主演する俳優の水谷豊からの“教え”を明かすなど、大いに語った。
同い年の佐藤と山西はミュージカル「生きる」(2018年)で共演し、意気投合した。「二人が演劇で真剣に遊べる場所」を求めて演劇ユニットを結成。その名は東京・新宿三丁目の古風な喫茶店「らんぶる」から拝借した。旗揚げ公演を7月2~9日に東京・新宿シアタートップスで、19~20日に大阪・ABCホールで上演する。
佐藤が山西に声をかけたのをきっかけに、結成から3年がかりで旗揚げ公演にたどりついた。佐藤は「2人も劇団員だったことはあるけど、劇団をイチから立ち上げたことはないから、どういう順番で何をやっていけばいいのか分からなくて。いろんな人に聞いて、作・演出の福原(充則)さんとか、人を探すことが一番大変だった」と話す。集まったスタッフを「素晴らしい」と絶賛し、「僕はね、運がいい」と笑顔を見せた。
公演は「嘘の中に本当がある、老いと死の物語」。見どころは2人でなんと計30役以上を演じる点だ。山西は「公演終了後に(観客が)『あれ、よく考えたら2人しかいなかった』と感想を持っていただけたら理想的ですね」と述べた。
佐藤は1988~2000年、劇団花組芝居に所属していた当時、女形の演技経験がある。今回の公演でも女性を演じることに「ことさら女性らしくしなくてもできるんじゃないか」と自信をのぞかせる。山西は「誓さんが女郎役をやっているのを見た時は『こういうやり方があるんだ』と感動した」と太鼓判を押した。
山西は「相棒」シリーズで01年放送のプレシーズンから今年3月放送で最終回だったシーズン23に出演。警視庁・薬物銃器対策課の角田六郎課長を演じ、存在感を放ち続ける。
今回の公演で演じる役どころに角田課長のようなキャラクターはいるのか。本人は「課長は自分の中にあるけど、別の作品になればその“引き出し”は堅くカギをかけて開けないようにしている。でも、公演を見た結果、『あの人、完全に(相棒の)課長だったよね』はあるかも」といたずらっぽく笑った。
「相棒」で角田課長のセリフ「ヒマか?」はおなじみの一つだ。作品外で周囲から「今日はおヒマじゃないんですね」などと声をかけられることは「しょっちゅう」という。「1つの役を25年ほどもできる人、本当にいない。得がたい経験をさせてもらっていると思います」とうなずいた。
「相棒」の撮影現場での水谷については「本当にジェントルマンで声を荒らげることもない」という。「僕が学ばせてもらったのは、カメラを“共演者”の一人と思って芝居をすればいいんだということ。水谷さんはカメラがどう動いているかをテストの段階で完全に把握して、自分の芝居をされているので勉強になりました」と明かした。
最後に佐藤は今回の公演について「スポーツもギャンブルも先が読めないですが、この作品も先が全然読めない。そこが似ているかな。損はさせません」と力強く語った。
☆さとう・ちかう 1962年7月11日生まれ、岩手県出身。劇団花組芝居を経て、舞台、テレビ、映画と幅広く活躍。2016年に第51回紀伊國屋演劇賞個人賞、18年に第25回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。最近の出演は舞台「浪人街」など。
☆やまにし・あつし 62年12月12日生まれ、京都府出身。劇団そとばこまちを経て、舞台のほかテレビ朝日系「相棒」シリーズの角田六郎課長を好演。昨年に第31回読売演劇大賞最優秀男優賞、第74回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。最近の出演は舞台「江戸時代の思い出」や映画「シサム」など。













