イスラエルとイランの戦争が激化し、中東は全面戦争の瀬戸際に立っている。イスラエル軍は13日未明からイランの核関連施設などを空爆し、革命防衛隊トップらのほか、核科学者9人を殺害。イランは同日夜からミサイルで報復し、16日にも4日連続での攻撃が繰り返された。イラン保健省とイラン通信社メフルの最新データによると、イスラエル軍の攻撃で224人が死亡した。イスラエルの最新データによると、死者は24人となっている。

 イスラエル国防軍(IDF)は16日、イランの弾道ミサイルの撃墜成功率に関する最初の統計を発表し、その成功率は80~90%で、実際の住宅地に命中した弾道ミサイルはわずか5~10%程度だったとしている。イスラエル自慢の防空システム「アイアン・ドーム」がかなり機能しているわけだ。

 IDFの報道官エフィー・デフリン准将は16日、空軍がイランの弾道ミサイル発射装置の3分の1、合計120基を破壊したと発表した。そのため、イランは15日夜に発射を予定していたミサイルの約半分しか発射できなかったという。イスラエルは世界最大の軍事力を持つわけではないが、諜報に基づいた精緻な軍事力を有しているようだ。

 軍事事情通は「13日の先制奇襲攻撃は、専門家の間で『これまでに試みられた中で最も大胆な軍事作戦の一つ』と評されています。20年も前から対外特務機関モサドの工作員がイランに潜伏し、イランの軍や政治のエリートを買収していたそうです。そして、イスラエルの特殊部隊がイラン奥地に秘密のドローン基地を建設していた。その結果、戦闘機とドローンで主要な軍事施設と核施設を襲撃し、革命防衛隊トップや核科学者の寝室を精密兵器で攻撃しました」と指摘する。

 イスラエルが国際的な批判を受けることを承知しながらも先制攻撃したのはなぜか。

「イランが初の実用核兵器の開発を急ピッチで進めており、完成まであと数週間かもしれないという状況になっているからです。地下奥深くの基地での核開発を止めることはできなくとも、遅らせることはできるということです。英国メディアは『もし世界が1930年代にドイツの再軍備を阻止する勇気を持っていたら、第二次世界大戦は勃発しなかった。イランが核を持つことはその現代版であり、イスラエルはそれをはっきりと理解している』とまで報じました」(同)

 また、2023年10月7日にイスラム系組織ハマスがイスラエルの民間人を虐殺し、誘拐したテロ攻撃が起きたことも関係するようだ。「ホロコースト以来、最も血なまぐさい日といわれています。そのハマスは、イランによって武装、資金提供、運営されています。イスラエルとしては、イランを徹底攻撃することで、不安定化させることを狙っているのでしょう」と事情通は分析した。