【取材の裏側 現場ノート】森保ジャパンは5日に行われた北中米W杯アジア最終予選オーストラリア戦(パース)で0―1と敗れたが、試合の結果よりも注目を集めたのがMF久保建英(24=レアル・ソシエダード)だ。A代表で初めて栄光の背番号10をつけた。

 これまで10番を背負ってきたMF堂安律(フライブルク)が今回の活動ではメンバーから外れたため、久保の10番は現時点で暫定的。ただ本人はかねて熱望しており、今後自他ともに認めるようなエース級の活躍を見せればW杯に向けて〝交代〟もあるかもしれない。

 日本の10番といえば、近年ではMF香川真司(36=C大阪)のイメージが強い。初めて10番を背負ってW杯に臨んだ2014年ブラジル大会では、不振に陥りチームも1次リーグ敗退と辛酸をなめた。

 その前に背番号10を担ったMF中村俊輔は02年日韓大会で落選し、06年ドイツ大会では低調のままチームは未勝利で敗退。10年南アフリカ大会はベンチ要員だった。香川がブラジル大会で不発に終わり、その頃には日本の10番はW杯で活躍できないというジンクスもささやかれた。

 香川はその後、18年ロシア大会でも代表メンバー入り。2度目のW杯に臨むにあたり、ジンクスを払拭すべく〝10番を背負う意味〟を徹底的に見つめ直した。親交の深い俊輔氏や名波浩氏(現日本代表コーチ)、大会直前の国内合宿中にはラモス瑠偉氏など歴代の10番経験者にアドバイスを求めた。

 そうした経緯を踏まえ、ロシア大会の開幕直前に10番を背負う意識について聞いてみると「よりクリーンになっている。その番号に誇りを持っている」と自信に満ちた表情で力強く答えた。

 そして迎えた大舞台では、1次リーグ初戦のコロンビア戦でPKによる先制点で勝利に貢献し、決勝トーナメント1回戦のベルギー戦でMF乾貴士の得点をアシストするなど大活躍。西野ジャパン16強躍進の原動力となった。

 北中米W杯では、香川以上の輝きを背番号10に期待したいところ。それをつけているのは、いったい誰になるだろうか。(運動部・渡辺卓幸)