【スペシャルズ/スペシャルズ(1979年)】

 パンクの波が去った79年5月にシングル「ギャングスターズ」(全英6位)でデビューしたネオ・スカ・バンドのファーストアルバムで「2トーン・ブーム」を巻き起こした。

 とにかく強烈だった。スカは聴いたことはあったが、それをさらにスピードアップさせ、パンクのエッセンスを取り入れた力強いビート。加えて繊細な音作り。初めて「モンキー・マン」をラジオで聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。

 プロデュースはエルヴィス・コステロ。テリー・ホールと2人の黒人ボーカリストを擁し、音楽的なリーダーは、キーボードのジェリー・ダマーズ。とにかく攻撃的かつ性急なビートが鳴り続ける。

 コベントリー出身の白人と黒人による7人の混成グループで、いわゆる「ルーディー」(ならず者)という呼び名がピッタリで、この言葉も定着させた。

 アルバムは「ア・メッセージ・トゥー・ユー・ルーディー」で幕を開けると「ドゥ・ザ・ドッグ」「ナイト・クラブ」など疾走感満載のビートが鳴り響く。B面は「モンキー・マン」で始まり「ニュー・エラ」「トゥー・マッチ・トゥー・ヤング」などで一気にアルバムは加速する。聴いた後はただぼうぜんとするしかなかった。当時の英国の若者の圧倒的な支持を受けて全英4位を記録した。

 2トーンはマッドネス、ザ・セレクターなどの優れたバンドも輩出。その後も「モア・スペシャルズ」(80年)を発表し、ライブEP「トゥー・マッチ・トゥー・ヤング」(80年)とシングル「ゴースト・タウン」(81年)で全英1位を記録して解散。3人のボーカリストは「ファン・ボーイ・スリー」を結成する。何度か復活した後、2019年には20年ぶりに「アンコール」をリリースして全英1位を記録。時空を超えた名盤だった。永遠に語り継がれる名グループである。