【SONGS/シュガー・ベイブ(1975年)】
山下達郎のデビューアルバムにして、日本のロック史上にさんぜんと輝く金字塔。デビュー50周年を記念して「SONGS」50周年2枚組、アナログ盤、カセットテープの3種が4月に発売された。CDにはボーナスディスクとして1994年に行われた山下によるシュガー・ベイブの再現ライブコンサートの貴重な音源が収録されている。
シュガー・ベイブは山下達郎、大貫妙子、村松邦男、鰐川己久男、野口明彦(後に伊藤銀次、寺尾次郎、上原裕も参加)らが在籍。この時代はロックにとって「不遇」の時代であり、レコーディング環境もライブ環境も、事務所との契約もずさんなものだった。ロックと歌謡曲がクロスオーバーし、ユーミンらニューミュージックが台頭してきた時代でもあった。
そんな中、希代のソングライターである山下は他のバンドと一線を画すように、フィフス・アヴェニュー・バンドなどのエッセンスを吸収して名曲の数々を作り上げた。プロデュースは大瀧詠一と山下。冒頭の「SHOW」はもはやガレージロックであり、続く「DOWN TOWN」は不朽の名作として今でも歌い継がれる。
とにかく「何が何でも新しい音楽を作る」という若者たちの熱気が全曲から伝わってくる。大貫がのびやかに歌う「蜃気楼の街」「風の世界」「いつも通り」などはいつの時代も色あせない。そして山下がメロディーメーカーとしての才能を存分に発揮した「雨は手のひらにいっぱい」などは今聴いても胸を打つ。ラストの「SUGAR」まで全てが名曲揃いだ。
若さは永遠ではない。しかし当時、情熱と勢いと音楽を愛する若者たちが溝に刻み込んだ音は永遠に色あせることはない。掛け値なしの名盤。(敬称略)












