フジ・メディア・ホールディングス(FMH)が風雲急を告げている。
日経新聞は4月23日、FMHが不動産事業へ外部資本を導入するための1次入札を5月中旬にも実施すると報じた。外部資本を受け入れることで財務に余力を持たせ、メディア・コンテンツ事業に資金を振り分ける狙いがあるという。
FMHは旧村上ファンドの村上世彰氏の要求に応じたとしたが、同日にFMHが発表した「一部報道について」と題した声明では「特定の株主や投資家等の意向で行ったものではありません」と否定。また、村上氏らがかかわる投資グループに不動産事業を売却するという15日の一部報道もFMH側は否定している。
ただ、FMHが2月3日に発表しているとおり、子会社のサンケイビルを中核とする不動産事業へ外部資本の受け入れ検討を決め、同事業を再編することに変わりはない。不動産事業にいよいよ手を付けるということだ。金融関係者の話。
「子会社のフジは、中居正広氏の一連の問題で深刻なスポンサー離れが起きました。そうした中、同局に注目する投資家グループは、FMHがメディア事業だけではなく、不動産事業も成長させていないことに不満を募らせていました。そこでFMHは外部資本を受け入れることで、企業価値や株主の利益を向上させようとしているのでしょう。これは日枝久氏の時代には考えられなかったことで、大きな転換点と言える」
もちろん、メディア事業も、視聴者の信頼を回復しようとさまざまな取り組みを行っている。その一つが調査報道プロジェクト「スポットライト」だが、これが軌道に乗り始めているという。フジ関係者が明かす。
「昨年9月から始まったフジ報道局の新しいプロジェクトです。中居氏の一連の問題では局のガバナンスの不全が浮き彫りになりました。特に中居氏の問題がいろいろ報じられて初の会見を行おうとした時、テレビ局なのにカメラを入れず、メディアも限定したクローズド会見で猛批判を浴びました。そこで報道機関としてしっかりと取材して、視聴者の課題解決に答えようと今回のプロジェクトが立ち上がったのです」(同)
これがなかなか好評なのだ。航空機内のおつまみとして提供されるナッツは、アレルギーのある人にとっては重篤な症状になることや、「トクリュウ」とされる、国内最大のスカウトグループ「ナチュラル」が使っていた極秘アプリをテレビで初めて撮影するなど骨太のテーマがズラリ。複数回にわたって深掘りしているものもある。
「特に、昨年11月にロシアの外交官が、外交特権を悪用して駐車違反を繰り返し、違反金も踏み倒している実態を報じたときは、公式YouTubeで再生回数95万回を突破しました。これもさまざまな観点から複数回深掘りしています。取材した記者は、ロシアから正式に入国禁止になったほどです」(同)
フジはアナウンサーの流出が相次ぎ、この2年で11人が退社(定年退職含む)しているほか、有名プロデューサーが多額の報酬で外資系配信会社に引き抜かれるなど、何かと不安要素は多いが、今は生まれ変わるために我慢の時なのかもしれない。












