親子間の「許し」がテーマになったTBS系ドラマ「対岸の家事」最終回(3日)で、丸く収まらなかった結末にむしろ納得する視聴者のSNS投稿が相次いだ。

 幼い娘を育てるマンション暮らしの専業主婦・詩穂(多部未華子)が、パパ友の中谷(ディーン・フジオカ)らとの交流を深め、成長していく物語。詩穂は父の純也(緒方直人)と、中谷は母・理恵(長野里美)と絶縁状態にあり、最終回ではそれぞれが2回、親子対面を果たす。

 結果、X(旧ツイッター)には「よかった。中谷さんまでお母さんを許したら…」「大抵の作品では仲直り♡よかったねーがほとんどだけど、実際はそんな簡単に気持ちは割り切れない」「対岸の家事よすぎたな。許すかどうかは中谷が決めんだよ」「これで許す展開だったら…」などと好意的な受け止めが少なくなかった。

 詩穂は少女時代、死んだ母の代わりに純也から家事すべてを押し付けられ、ヤングケアラーと化して家出。中谷は教育ママ的な理恵の虐待を受けていた。「許し」について悩む詩穂は自ら純也を訪ね、詫びる父と交流が再開する今後を示唆。一方の中谷には理恵が押しかけて謝罪の上で許しを請う。中谷は親になったことで、当時の母に一定の同情も覚えたが、許しは保留。自分から会いたくなるまで「訪ねてこないで」と求めた。

 親子2組とも和解という大団円ではないエンディングはむしろ視聴者の好感を呼んだ。どちらも丸く収まると、「子は親を許すもの」が当たり前になりかねない。とりわけ、複雑な中谷の胸中描写は象徴的だった。

 理恵とは2度、喫茶店で面会。最初はテーブル上のアップ映像がディーン側から映された。手前にアイスコーヒー、奥にホットコーヒーらしき飲み物。この時、中谷は無表情で話を打ち切り、席を立った。

 2度目の対面では、前出の「同情心」を打ち明ける。テーブル上のアップ映像は理恵側から映され、手前も奥もホットのカップになっていた。

 最初に大きく映った中谷のアイスコーヒーグラスは理恵に対する冷淡さを暗示し、2度目の面会でのホットは氷が解けて態度が軟化したことをうかがわせる。詩穂の心理描写にはコロッケが登場するなど、飲食品が巧みに使われた。