大御所演歌歌手・橋幸夫(82)の認知症発症を公表、会見した所属事務所「夢グループ」の石田重廣社長が20日、グループ一丸で橋をサポートすると約束した。

 今回の会見を開くきっかけは14、15日と大阪で開催された「20周年記念コンサート」で、それまで歌えていた持ち歌を橋が歌えなかったこと。

 1966年の日本レコード大賞曲「霧氷」が歌えず、バックステージでは「ちょっと橋さん、歌忘れてるぞ!」となった。石田社長はとっさに「(後進グループ)『二代目橋幸夫yH2』が入ってって、歌を思い出させて歌わせればいいんだ」という策を取った。ところが橋は「『このステージは俺のステージだ。何で君たち歌うんだ』と(yH2を)注意したんですね、お客さまの前で。反射的に我慢できなかったんだなと…」。

 昨年8月スタートした同コンサートツアーは、橋を含む所属歌手10組で今年8月まであと全国37か所回る。橋の症状は2か月前、メンバーに通達。各地の巡業では「このごろは団体行動」をとっている。橋の楽屋はこれまで個室だったが「社交性維持」も症状の進行を抑えるのに重要とのことで、他のメンバーたちと一緒の楽屋にしているという。

 自宅が静岡県熱海市にある橋にとっては移動も大変なため、1年前から都内に専用マンションを借りている。付き添いは夫人と、夢グループ社員で橋の付き人でもあるyH2が。今一番一緒にいるのは、先月デュエット曲を出した韓国人歌手・ZEROで、トイレにも帯同しているそうだ。

 石田社長によると、橋は1人移動とは無縁の歌手人生で「昔からなかったみたいです」。物忘れ以外の症状はなく「1人で歩けますし、荷物も持てますし、1人で食事もしますし、アイスクリームもペロペロ食べてます、朝昼晩」という。

 今後のマスコミ対応は「本人の正しい回答が得られる状況というものは、100%と言って過言でないくらい厳しい」との理由から、囲み取材はしない意向。ただ、現在4年生の京都芸大(通信教育部書画コース)はすでに全単位取得し、あとは卒業制作を2作品出して修了のため、来年3月には「何とか皆さまの前で、卒業証書だけの記者会見は開かせてあげたい」と石田社長は語った。

 橋は先月23日、新曲発表会で報道陣の前に立った。寝坊がたたって歌手活動謹慎中のyH2メンバーへ向けたコメントを求められると「『あんまり静かにしてるともったいないから、早く元気になれ』と言ってあげてね。一緒に応援したいです私は」と自分のことはさておき、後輩への気遣いを見せていた。

 石田社長は橋と今週末23日、両国国技館で現在開催されている大相撲夏場所を「土俵際のところ、前から2列目で見に行く」という。橋はスポーツの話をすると頭の回転がよく、相撲の生観戦は初めての石田社長に「大きな力士がドーッて来たら、社長、運動神経にぶいから俺が助ける」と豪語しているという。