大御所演歌歌手・橋幸夫(82)の認知症発症を公表した所属事務所「夢グループ」の石田重廣社長が20日午後、東京・護国寺の本社で会見を開いた。橋本人は欠席。
医師の5月16日付診断書によると、橋は2020年ごろから認知症の症状があり、22年12月には軽度、昨年末には中等度のアルツハイマー型認知症と診断されていた。
人知れず、橋は通院していた。ただ23年5月の引退時も、昨年4月の歌手復帰時も、石田社長は「疑いの目をもちませんでした」。同じことを何度も言うなど異変に気付いたのは昨夏だという。
今年に入ると自身の歌も忘れ始めるように。また、本人は真面目にステージ上でトークしているつもりが、同じことを繰り返し、観客から「もう聞いたよ~」と笑われる場面も。動揺する橋をふびんに思い、石田社長は橋と一緒にステージに上がるようにした。
おかしいなと思い、橋に同じ質問をして確認することもあったが、橋は「社長、俺をなんか病人だと思ってチェックしてんのかい?」と明らかに動揺の色が…。2月、石田社長は「どういう病気なの?」と夫人に話をし、診断書を入手し病名を知った。本人を気遣い「橋さんに、間違ってもアルツハイマー病って言いませんよ」。
4月に入ると橋は「今日はどこにいるんだい?」「秋田に何しに来てるんだい?」「20周年コンサートって一体何なんだい?」と話すこともあった。「日によってはすごく頭がさえてる日と、何を言ってるか分からない日があります」と石田社長。
そしてさる14、15日の大阪公演で、それまでは覚えていた持ち歌が3曲とも歌えなかった。観客も〝おかしいな〟という雰囲気に。橋は手を震わせながら石田社長にこう話したという。
「頭ん中が何だかさっぱり分かんなくなっちゃうんだ。みんなに迷惑掛けてるなら俺、休むから。そして体調をちゃんと整えて仕事するから」
ただ、本人にはやる気がある。診断書の中で医師も、症状の進行を抑制するためには「大きな支障をきたさない範囲での定期的な歌謡ステージなどの芸能活動維持が望ましい」としている。
夢グループは現在、20周年記念コンサートの全国ツアー中で、8月まで37か所での公演がある。所属歌手10組が出演し、1人の持ち時間は15分。橋は明日21日の神奈川公演から、休まず出演予定だという。
「頑張る姿勢がお客様にどこまで通用するか分からないが…」としながらも、石田社長は「音楽が流れると、もとの橋幸夫さんに戻る。歌の声は全くもって衰えてないんです。艶がある声、そして伸びやかな声、そして音程を狂わせないという…。僕にとってもホントに理解ができません」と話していた。













