免疫異常が原因で、感染症などをきっかけに発症するとされる円形脱毛症。いったいどういう治療法があるのか、皮膚科医の中村淑子先生に話を聞いた。
――円形脱毛症と加齢の抜け毛の違いを知りたいです
中村医師(以下、中村)円形脱毛症では抜けた箇所の境目がはっきりしており、毛がまとまって急にバサッと抜けます。加齢による脱毛は男性ホルモンによるものです。30代以降にだんだんと薄くなっていきますが、進行が緩やかで、毛が細く柔らかくなります。
――抜け毛が気になれば受診していいですか
中村 もちろんです。円形脱毛症であれば、特徴的な毛の抜け方があり、急性期か生え始めている慢性期の状態かなどが目視や触診で判断できます。もし、抜け毛の原因が加齢によるものならばAGA治療についてなど選択肢を提示されると思います。自費診療になるので、医師としっかり話し合い検討してくださいね。
――円形脱毛症はどういう治療法がありますか
中村 状態によっては放置で大丈夫なケースもありますし、薬で治療した方がいいケースもあります。炎症を抑える効果を持つ内服薬や外用薬を使ったり、紫外線の殺菌作用を活用した紫外線治療などをしたりします。円形脱毛症は保険適用されます。
――放置でいい人もいるんですね!
中村 円形脱毛症は1年で自然に治る人がほとんど。ただ、円形脱毛症の根っこにあるのは免疫異常やアレルギー反応によるもの。円形脱毛症につながる病気がないか判断するために採血を行い、結果次第ではその治療に進むケースもある。また、頭の5割以上の脱毛や、髪の毛以外にも症状が出ている場合は、より詳細な検査を行います。
――そういう方が重症ということですね
中村 その通りです。範囲が広い=重症です。今までは全頭型の人は治りにくいとされていました。しかし、重症の人だけに使える、画期的な薬のJAK阻害薬が最近出ました。毛根を攻撃しているリンパ球などの攻撃を鎮める薬です。発毛率が3割近くあるということですごく注目されており、一度治療を諦めてしまった人もチャレンジしてほしい。
――円形脱毛症対策として日常的にできることはありますか
中村 発症するきっかけとなる感染症などに対してしっかり対策をすることです。もし発症してしまったら、髪の毛の新陳代謝に関連するビタミンやミネラルを積極的に摂取するなど、良い生活習慣を意識することで元気な毛が復活してくれます。
☆なかむら・としこ 北朝霞メディカルクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。順天堂大学医学部附属順天堂医院などで研さんを積み、現職。商品開発アドバイザリーなど、皮膚科領域で幅広く活動する。美容医療技術の進歩と普及に努め、地域社会への貢献を目指す。












