春になると抜け毛が気になるという人も多いだろう。単なる抜け毛なら生え変わりのサイクルによるもので問題はないが、中には円形脱毛症により抜け毛が起こっている人もいる。いったい円形脱毛症とはどういう病気なのか、皮膚科医の中村淑子先生に話を聞いた。
――円形脱毛症とはどんな病気ですか
中村医師(以下、中村)円形に毛が抜ける病気です。しかし、中には全頭型(頭の毛が全部抜ける)や、蛇行型(蛇のような形で抜ける)の人も。ほか、眉毛や腕の毛など、全身に症状が出る人もいます。ただ、9割くらいの人が円形に抜けますね。
――繰り返すものなのでしょうか
中村 単発の人もいます。半年ほどすると元に戻るので、脱毛の場所によっては気づいていない人もいるはずです。しかし、中には繰り返す人もいますし、悪化してどんどん範囲が広がっていく人もいます。
――急に抜けると驚きます。原因はいったいなんですか
中村 毛が抜けるのは免疫反応の結果です。免疫反応が異常をきたし、毛根を間違えて攻撃し、毛が抜けてしまう。つまり、体質的に自己免疫疾患を持っている人や、アレルギー素因を持っている人が起こりやすい。遺伝的な素因が大きいとされていて、例えばリウマチをご両親が持っているならば気をつけた方がいいです。
――ストレスが原因だと思っていました!
中村 肉体的・精神的なストレスはこの免疫異常を起こすきっかけといえます。円形脱毛症のきっかけとしてよくあるのが、ウイルス感染や細菌感染です。感染すると人間は免疫が働き出し、感染源を排除しようとします。しかし、そこで間違えて毛根を攻撃してしまう。感染症は肉体的ストレスともいえますね。
――罹患者数はどれくらい?
中村 100人に1人くらいの患者数がいるとされています。男女比としては女性の方が少し多く、子供も大人もなる病気です。特に小さい子供は知識がない中で不安になったりするので、大人がしっかりした知識を持ち、適切に治療につなげてほしいです。
――毛が抜けやすい春だから患者さんが多いというわけではないんですね
中村 円形脱毛症に関しては、一年間一定数の患者さんがいます。ただ、確かに春や秋は髪の毛の生え変わりの時期で、自然脱毛が多いです。秋は夏の頭皮のダメージで毛が抜けやすくなりますし、春は冬に蓄えた毛が抜けます。髪の毛の異変を感じがちな季節ですので、気にしている中で、円形脱毛症に気づく人もいます。
☆なかむら・としこ 北朝霞メディカルクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。順天堂大学医学部附属順天堂医院などで研さんを積み、現職。商品開発アドバイザリーなど、皮膚科領域で幅広く活動する。美容医療技術の進歩と普及に努め、地域社会への貢献を目指す。












