ミャンマー中部マンダレー近郊を震源とする3月28日発生の大地震は同31日、ガレキの下に埋もれているなどして不明になっている人の生存率が著しく下がるとされる「発生後72時間」が経過した。未曽有の大地震で、SNS上ではフェイク画像が出回り、さらに混乱を招く事態に陥っている。
軍事政権によると、死者は約2000人、負傷者約3900人に上り、死者数は増える恐れが強い。2021年のクーデターで国際的孤立を深めた軍事政権だが、国際社会に支援を要請し、海外の救助部隊の支援で救出を急いでいる。
軍事政権は民主派や少数民族武装勢力との内戦で弱体化し、地震被害の全容は見えていない。世界のメディアもなかなかミャンマーに入り込んでいない。そのため、人工知能(AI)が作成したニセの画像、動画を世界中のメディアが引用し、その後、謝罪する事態も起きてしまっている。
事件発生後すぐに、SNSのXやTikTokに「現地から」として、地震の画像、動画が大量に投稿された。しかし、AIによって生成されたり、改変されたりしたものもSNS上で拡散しており、その映像の中にはかなりリアルなものもあった。
IT事情通は「内戦状態の小国であるミャンマーだからこそ、世界のメディアが入り込んでおらず、〝現地からの生リポート〟と称して、AI生成による動画が無数に出回っています。再生回数稼ぎや募金詐欺です。それをロシアの国営メディアをはじめ、かなりの大手メディアも誤引用してしまっています。大規模な災害の実情が、AIフェイク動画によって混乱させられる世界初のケースかもしれません。本当の情報を得ることが難しくなっています」と指摘する。
AIによって改変された動画の中には、荒れ果てた通りや倒壊した家屋が極めてリアルに描写されている。よく見ると不自然であることが分かるが、一見すると本物にしか見えない。
台湾メディア・FTVは30日に「ミャンマー地震で石油噴出」と報じた。SNSで拡散した動画を使用したという。
しかし、31日、「ニュース映像にインターネット上で出回っているAI生成画像を誤って使用していた。同僚たちは間違いに気づき、すぐに社内外のニュースを削除した。FTVは視聴者および一般の方々にご迷惑をおかけしたことについて心からお詫び申し上げます」と謝罪した。
削除されたため、その動画を確認できないが、どうやら地震で地盤が液状化して黒っぽい液体が噴出する映像をAIで石油が噴出したかのように改変したもののようだ。
中国のSNS「微博」では「ミャンマーの地震後の様子を空撮した映像」という動画が出回った。これをロシアの国営メディアが使用したという。しかし、民間IT組織によって「通義万相」というAIで作成されたものであることが明らかになった。
建物が倒壊した中、人が歩き、車が走る動画だ。よく見ると通りを歩いている人の足が動いていなかったり、車の数倍の速度で人が移動したりしている。しかし、一見だけでは、本物か偽物か判別するのが難しい。
また、台湾の地方自治体が募金キャンペーンを開始し、捜索救助隊への寄付を呼びかけているというニュースが広がった。これに対し、当該の自治体は「その内容は虚偽の情報である。詐欺や個人情報の漏洩を避けるためにこれを信じないように」と呼びかけるはめになった。












