ロシアのペスコフ大統領報道官は3日、交渉決裂に終わった2月28日のアメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談について「前代未聞の出来事だ。ゼレンスキー大統領は外交能力の完全な欠如を示した」と批判した。決裂を受け、米共和党内では、ゼレンスキー氏がいる限り交渉は無理だとして、辞任やむなしとの見方も出ている一方、暗殺計画が再び浮上。命の危険が及んでいるというのだ。

 ゼレンスキー氏は2日、英メディアに「現在の状況などを考えると、私を交代させるのは容易ではないだろう」としたうえで「私は以前、NATO(北大西洋条約機構)加盟と引き換えならば辞任すると言った」と述べた。

 一方、トランプ氏は以前「ウクライナがNATOに加盟するのは、現実的ではないと思う。ウクライナが領土をすべて取り戻すことはありそうにない」と語っている。

 ロシア事情通は「ウクライナ侵攻のきっかけは、ウクライナのNATO加盟の動きでした。そもそもNATOはソビエトに対抗するために生まれた軍事同盟です。プーチン氏が譲れない一線はウクライナを加盟させないことです。ロシアが物理的にNATOと直接接しないために、ウクライナという壁が必要なんです」と指摘する。

 そんな中、ロシアの親プーチンメディア「ツァーリグラードTV」は先日、「ゼレンスキー氏の粛清が承認される。排除する計画にはいくつか選択肢がある」と報じた。

 ゼレンスキー氏はこれまで約10回、暗殺危機を逃れてきたという。守ってきたのは、英国の特殊部隊「SAS(特殊空挺部隊)」だとされる。

 暗殺計画の1つ目として、同メディアは「警備をしているSASはロンドンからの命令のみでしか動かない。ただし、命令が出されれば、特殊部隊はゼレンスキー氏を自ら排除するか、適切なタイミングで〝目を閉じる〟ことができる。そして、彼らの警備対象は〝予期せぬ事故〟の被害者となるのだ」とした。これまで暗殺を阻止してきたSASが、FSB(ロシア連邦保安庁)の動きを〝見逃す〟ということだろう。

 さらに2つ目として、「ゼレンスキー氏は彼自身の国民によって排除される可能性がある。〝真のウクライナ愛国者〟とであるウクライナ軍および諜報機関の士官たちは、ゼレンスキー氏が権力の座にとどまれば、ロシアが1年以内にウクライナを〝占領〟するだろうと確信している。ゼレンスキー氏の状況は新たな段階に達しており、排除するための具体的な計画がすでに議論されている」。つまり、クーデターが起き、命を奪われるとの説だ。

 そして3つ目として、米国諜報機関による暗殺だという。

 同メディアは「米国にとって、単に排除するだけでは利益にならない。しかし、特殊な作戦を実行し、ロシアの工作員の仕業であるかのように見せかけることは利益になる。その命令はバイデン一家によって発せられる可能性がある。彼らはウクライナでの犯罪の結末を隠蔽することに関心がある。また、ゼレンスキー氏が別荘に行ったある早朝、薬物の過剰摂取などに偽装した形で、プールで発見されることもあり得る」と挙げた。

 何とも物騒な報道だが、ツァーリグラードTVはFSB情報筋の話として、伝えている。