映画監督の押井守氏(73)と声優の大塚明夫(65)が2日、都内で2004年されたアニメ映画「イノセンス」(2月28日からTOHOシネマズ日比谷ほか2週間限定公開中)の公開20周年記念トークイベントに出席した。

〝電脳〟につながれた近未来を舞台に、サイバーテロなどに対抗するため結成された、全身義体のサイボーグ・草薙素子が率いる超法規特殊部隊「公安9課」の活躍を描いた「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」と、3年後の2032年が舞台の続編「イノセンス」の公開20周年を記念して開催。草薙の同僚であるバトー役の大塚と、2作品の監督・脚本をつとめた押井氏が登壇した。

 昨年8月、草薙役を演じた声優の田中敦子さんが61歳で亡くなった。イベントでは、司会者から「イノセンス」の続編について聞かれると、押井氏は続編の制作に動き出した過去があったことを明かし、「諸事情で形にならなかったのですが、まだやり残したことが一つだけあるので、それができるなら」と告白。理由について亡くなった田中さんの存在もあるといい「『素子をどうするんだろう』というのも一つにはあります。『イノセンス』のときのように素子が魂だけの存在というわけでもないでしょうから。今度は〝声なし〟でやるのもありかもしれませんが…」と明かした。

 最後に、大塚がファンに向けて「これ(イノセンス)が20年たってまた劇場でかかるのは、これが名作だという証しだと思っている。後世に残る作品を胸に刻んでいただければ」と話せば、押井氏は「20年たって、またスクリーンでかかる作品なんてそうはないことです。監督冥利に尽きる。映画というのはいずれ死ぬものですが、『イノセンス』はまだ寿命が残っているということなのでしょう。映画が長生きすのは、スクリーンでかかることしかない。本当にありがたいことです」と感謝した。