12月に入り、街ではクリスマス・ソングがあちこちで聞こえるようになった。だが毎年同じ定番曲ばかりで食傷気味の方も多いはず。そこで今回は世界でも最大級のCDショップ「タワーレコード渋谷店」の石黒大貴副店長に「この冬に聞きたいクリスマス・アルバム名盤5枚」を推薦してもらった。
【スヌーピーのメリークリスマス/ヴィンス・ガラルディ(1965年)】
世界の人気者・スヌーピーのテレビ特別番組のサントラ盤。名ジャズピアニスト、ガラルディのトリオが名演奏を聞かせる。番組は約60年も毎年再放送され、ジャズでは世界で2番目に売れたアルバムとされる。
「スヌーピーがクリスマスツリーに乗っているジャケットのインパクトが大ですね。中身はジャズでおとなしめのしっとりした内容。お子様が聞いてもご家族で聞いても楽しめる。食事中でも団らん中でも、場所を選ばないアルバムです。クリスマスになるとウチで一番売れるアルバム。ジャケットに引かれて手に取られる方が多いです」
【クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター(1963年)】
クリスマス・アルバムの金字塔で名盤中の名盤。「ウォール・オブ・サウンド」で一時代を築いた名プロデューサー、フィル・スペクターのフィレス・レコードに在籍したアーティストが一堂に会して名曲の数々を歌った。ダーレン・ラヴの「クリスマス」は長く国民的クリスマス・ソングとして聞き継がれている。
「クリスマス・アルバムでありながら、フィル・スペクターの魅力が詰まった集大成。多くのアーティストが参加してますが、統一感もありいろんなボーカルが楽しめて、フィル・スペクターのバックの音も堪能できる。今聞いても全く遜色がない。サウンド自体が確立されています」
【ジェームス・ブラウン/ソウルフル・クリスマス(1968年)】
ご存じ「ソウルの帝王」JBのクリスマス・アルバム。サンタに扮したジャケットがたまらない。しかもファンク全盛時にリリースされただけに内容も最高だ。
「ジャケットが最高です。これが店頭に並んでいたら思わず買っちゃう(笑い)。クリスマス・アルバムとはいえ中身は完全にJB。バラードだけでなく、ファンクナンバーも入っていてJBの姿勢は一貫しています。しかも絶妙なバランスを保っていて誰が聞いてもJBだと分かる。あまり有名ではない発掘盤ですが、ソウル&ファンクのファンにもおススメですね。違う一面が見られると思いきや、いつものJBの音が鳴っていて素晴らしいです」
【カーぺンターズ/クリスマス・ワンス・モア(2024年)】
世界でも特に日本で圧倒的な人気を誇る2人の最新リミックス盤。「クリスマス・ポートレイト」と「オールド・ファッションド・クリスマス」からとっておきの16曲を選出した。
「日本人には一番なじみがあるグループ。2枚のアルバムを編集した最新のリミックス盤で、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のバッキングを加えた曲『メリー・クリスマス・ダーリン』も入っています。カレンのあの歌声は癒やされるし、郷愁感というか不思議な感覚になりますね。竹内まりやさんにも通じるような、歌がうまいだけでなく胸に響くものがある。ゆったり過ごすクリスマスには一番じゃないでしょうか」
【NRBQ/クリスマス・ウィッシュ・デラックスエディション(2015年)】
日本の音楽ファンにも愛される50年以上のキャリアを誇る米国のロックバンド、NRBQ97年のクリスマス・アルバムデラックス盤だ。米国では国民的バンドで熱狂的な支持を得ており、ヤンキー・スタジアムでコンサートを行うほど。
「音の緩さが最高。カントリー要素の入ったアメリカンロックの代表的バンド。世界中の音楽ファンに愛されています。何回も来日しているので、日本でももっと広く聞かれてほしいと思います。クリスマスといえば壮大なイメージがありますが、NRBQは肩ひじ張らずゆったりしている。今回この企画に際していろいろなクリスマス・アルバムを聞き直したんですが、僕的にはこれが一番響きました」
石黒さんは「日本ではクリスマス・アルバムは米国ほどポピュラーな存在ではありません。選んだ5枚は企画アルバムでありながらどれも芯が通っていて作品として優れたものばかりです。今回を機に改めてクリスマス・アルバムに接していただければと思います」と締めくくった。ぜひこの5枚を手に今年のクリスマスを楽しんではいかがでしょうか。
















