「龍とカメレオン」(著・石山諒/既刊4巻)
主人公で業界最強の漫画家・花神臥龍と、どんな画風でも再現できるが無名の漫画家・深山忍の体が入れ替わることから始まる、〝漫画家バトル漫画〟です。読者層はかなり広く、実際に漫画家・クリエイター志望の方から支持をいただいている点もありがたいです。
知名度ゼロの体に入ってしまった天才・臥龍が、もう一度頂点を目指して駆け上がる痛快な展開が話題を呼んでいますが、「少年漫画」と「お仕事系漫画」が融合している点も大きな特徴だと感じています。モチベーションを高く持って邁進する臥龍とは対照的に、伸び悩み、もがく漫画家たちも作中には描かれていまして。そんな〝天才ではない人々〟が、臥龍との出会いを通じて熱さを取り戻す展開に、社会人読者は勇気をもらえるのではないでしょうか。
ちなみに構想段階では「巨匠の体に入ってしまった無名漫画家が主人公」という、今とは正反対の設定でした。先生がより良い物語を目指して2人の立場を逆転させた結果、物語がさらに魅力的になったという、作品にピッタリなエピソードもあります。
そして漫画好きの方にとっては、少年漫画ができあがるまでの裏側が描かれていることも魅力です。天才の才能を持ってしても一筋縄ではいかないシビアな漫画業界を追体験すれば、普段読んでいる作品に対しても、より愛着が湧くのではないでしょうか。連載を目指して漫画家が魂を燃やすというドラマを通じて、読者の方にも子供の頃のように心を熱くしていただけたら何よりです。(担当編集者・談)
「メカニカル バディ ユニバース」(著・加藤拓弐/全1巻)
「メカニカル バディ ユニバース 1.0」(著・加藤拓弐/既刊2巻)
崩壊した世界の中で、人と機械が手を取り合い、力強く立ち上がる姿を描く〝メカニカル・オムニバス〟です。もともと「X」上で公開されていた作品「あるドロイドのおはなし」を中心に、さまざまなエピソードをまとめた単行本「メカニカル バディ ユニバース」が話題となり、その後雑誌連載「メカニカル バディ ユニバース 1.0」が決まりました。ちなみに「X」上でのエピソードは、他作品を連載中に同時展開するという先生の離れ業で生まれた作品でもありまして、あふれる熱量がなければ世に出ていなかったことは確かですね。
また、加藤先生の機械に対するこだわりは圧倒的で、読者用のサイン色紙にキャラクターだけでなく本格的なロボットを書き込んでいたという逸話があるほど。その強すぎる情熱に支えられた精密な描写と世界観は作品の大きな魅力です。
メカ以外にもこれでもかと「外連味(けれんみ)あるかっこよさ」が詰まったこの漫画は、幼い頃からメカアニメに親しんでいた方はもちろんのこと、若いSNS世代の方にもブッ刺さっていますよ。身寄りのない青年レイニーと〝アンドロイドの母〟ブラウや、引退してなお衰えぬ元軍人・ダリアとAIユニットのコンビ等、個性豊かな〝バディ〟が織りなすメカと人との関係性の中に、アナタの「好き」もきっとあるはず!
さらに雑誌連載化を契機に描写・ストーリーの解像度もグッと上がっています。一方でSNS由来の「想像の余地を残す」読み味も先生と意識しました。ハイブリッドかつハイレゾなSFになっていますので、恋愛など若者向けのジャンルは少し疲れてしまうという大人世代の方にも、ぜひ一度読んでいただきたいですね。(担当編集者・談)
















