【取材の裏側 現場ノート】J1浦和が2月16日、昨年8月の天皇杯4回戦名古屋戦(CSアセット港サッカー場)で発生したサポーターの暴徒化問題を受けて「第三者委員会公開シンポジウム」を開催した。

 騒動後に日本サッカー協会は、当該サポーターの無期限入場禁止や、浦和に対して今季の天皇杯参加資格剥奪などの厳罰を下した。浦和側も第三者委を設置し、再発防止へ向けて調査を実施。その結果をメディア、ファンやサポーターに公開の場で報告した。

 第三者委は浦和のクラブやサポーターの問題点を忖度なくあぶり出し、再発防止への強い意欲が感じられた。その一方で気になったのが、サポーター側の反応だ。

 会の終盤に行われた第三者委とサポーターの質疑応答。そこで最初に出た質問が「当日名古屋にうかがったが、防護柵は出来の悪さとか、スタジアムにすぐ入れてしまいそうな、設備的には良くないところだと思いました。それを浦和レッズがハンドリング(対処)できたのか」。

 第三者委が「主管は愛知県サッカー協会。J1同士の会場としてはスペックが低すぎるんじゃないかという問題が起き、他にどこか移せるのかと苦労したが、結果的にはそこでやるしかなかった」と回答すると、質問者は「個人的には、設備さえJ1クラスの設備なら起きなかった問題じゃないかなと思っていますので」と持論を述べた。

 次の質問者は「名古屋さん側のサポーターさんへのヒアリングはできていないのでしょうか」。これに第三者委が「名古屋サポーターへのヒアリングはしておりません」と答えると、質問者は「なぜでしょうか」と追及。「時間的な問題、向こうとの折衝の上で、それは実現しなかった」と第三者委は回答した。

 この後は浦和に関する質問も出たが、クラブとサポーターが問題への理解を深める場で、名古屋に対する指摘が続いたことには少なからず違和感を覚えた。もちろん、サポーターの間でも意見は十人十色。今後は定期的にこうした場を設け、活発な議論を交わすことで再発防止につながることを願うばかりだ。