マインドフルネスがビジネスパーソンに注目されている。米国ではグーグルが社員教育や健康増進目的で瞑想プログラムを取り入れたとされる。その効果や実践法を尋ねた
【心を整える瞑想法】
いつの間にか瞑想が世界中で注目されるようになっている。心を静め、病気予防や健康増進に寄与する合理的な方法の一つであることが神経科学等により明らかになっている。
もっとも、瞑想というと多くの人はヨガや気功を思い浮かべるかもしれない。だが、いま注目されるのはマインドフルネスの瞑想だ。
マインドフルネスとは、過去や未来ではなく現在ここで起こっている物事を体験し、ただ目の前のことに集中する状態を指している。瞑想などを通じて、いまこの瞬間の自分の心身や周りの状況に集中し、自分の思考や感情、行動などについて善悪の判断や評価をせず、ありのままを観察する。そうすることによって、常に穏やかな心を保つことができるようになると、心身の健康によい影響を与えるとされている。
マインドフルネスの人気を高めたのはグーグルだ。検索エンジンをはじめインターネット関連のサービスや製品を提供している、あのIT業界の巨人である。
そのグーグルが人材育成のために「サーチ・インサイド・ユアセルフ」という瞑想プログラムを取り入れたことからシリコンバレーに普及し、その後、米国から世界のビジネスパーソンに愛好されるようになった。そのため、企業や教育機関などにおいて健康増進のためにマインドフルネスが導入されるようになっている。
【日常できなかったことができるように】
マインドフルネスの瞑想は、心を大きく開いて集中することが特徴であり、仏教由来の瞑想法であり心理療法だとされる。
マインドフルネスと同様の瞑想法は、日本では既に1500年以上前から存在していた。「禅」である。
禅の「心の中を観察する」という考え方が世界で新鮮さをもって受け止められ、米国のカリフォルニアでは1950年代から禅ブームが巻き起こった。アップル創設者のスティーブ・ジョブズ氏も教えを受け、瞑想したとされている。
伝統医療研究所(大阪市中央区)は世界各地で実践されているさまざまな健康のヒントを提供しているが、同研究所ではヨーロッパのマインドフルネスによるストレス軽減法を学んだ講師を招いて体験会を実施したこともある。
同研究所の畠中恵美所長は、かつてテコンドーの競技者だったときにある瞑想法に出会い、10日間の深い瞑想を体験した。それが人生の大きな転機となり、その後、東洋医学を探求する方向にシフトすることになったという。
「瞑想によって、忙しい毎日に少し空間ができます。そして、その空間においては日頃できなかったさまざまなことができたように思います」(畠中所長)と語る。
次回はマインドフルネスの具体的な実践法を紹介する。










