2022年に東京・秋葉原の路上で暴力団組長が刺殺された事件で、殺人罪に問われている佐々木文俊被告の初公判が19日、東京地裁で開かれた。
佐々木被告は22年7月21日午後に暴力団組長の山中健司さん(34=当時)の左腹部を刃渡り22センチの牛刀で刺し殺害し、そのまま万世橋署に自首。起訴内容について佐々木被告は「間違いありません」と認めた。
ガールズバーなどのコンサルタント業を営んでいた佐々木被告には、山中さんとの間にみかじめ料をめぐる金銭トラブルがあったとされる。事件当日、佐々木被告は山中さん、運転手の3人で喫茶店に入り、店を出た直後に「もう終わりにしよう」と考え、背後から山中さんを刺したという。
法廷では2人のいびつな関係が明かされた。2人は14年ごろに、たまたま居合わせた居酒屋で意気投合し友人関係になった。17年に山中さんが暴力事件を起こし逮捕。佐々木被告は友人として山中さんの妻と裁判を傍聴し、拘置所に本の差し入れも行った。
しかし、ここからが地獄の始まりだった。釈放後、山中さんの態度が一変。「ボス」と呼ぶように強要され、「俺がいなかった間の80万円を払え」と要求された。断ると暴行を受け「チンコロしたら親父とお袋をヨンパチ(48時間)以内に行方不明にしてやる」と脅迫された。差し入れした際に当時住んでいた実家の住所を書いてしまったことで住所がバレ、両親への危害におびえる日々が続いた。
実家の写真を送られるなど従わざるを得ない状況に追い込まれた。山中さんは周囲に佐々木被告を「コイツは俺のポケモン。命令すれば何でもやる」と吹聴。金銭の要求はエスカレートし佐々木被告は母と妻への借金を含め約1億2000万円を渡した。
“ボスとポケモン”といういびつな関係。しかし、それに反論するのが山中さんの妻だ。証人尋問で「佐々木は(夫の)親友でした」と主従関係を否定している。
「起訴事実は認めているので、今後は2人の本当の関係性が焦点になっていく」(法曹関係者)という。












