歌舞伎町の有力ホストクラブが自主規制で売掛撤廃に向けた取り組みを進めるという。

 悪質なホストクラブにはまった女性が高額の売掛の支払いのために売春することが社会問題になる中、新宿区は5日、歌舞伎町のホストクラブ経営者らとの連絡会を開いた。約40グループのうち13の経営者が出席した。

 経営者側は売掛を自主規制で段階的に減らし、来年4月以降は撤廃する方針を示した。18グループで業界団体を設立するという。歌舞伎町には約300のホストクラブがあり、18グループで7~8割を占める。歌舞伎町の悪質ホスト問題が大きく動いた。

 元ベテランホストは「売掛撤廃が実現すれば、10年前のような200、20年前のような100店舗まで淘汰されるかもしれません。ただ売掛が横行したのは、風営法で深夜営業が禁止になったことで、銀座のクラブのママさんやディナー後に遊びに来る太客がいなくなり、体一つで稼げる若い女性に売掛させ、食い物にしたことが原因でした。それが社会問題になりました」と指摘する。

 売掛はツケのことで、客が店に対して借金をするもの。客から回収不能となると担当ホストが責任を負い、支払うことになる。つまり売掛だと店だけがノーリスクで、ホストも客も店に払わなければいけない。その売掛というシステムがなくなるとどうなるか。

「連絡会に出た経営者たちの店は有名グループで体力があります。今のホストバブルのような、一晩で異常な金額が動く前からホスト業界でやってきてますので、バブル前の稼ぎに戻してもやっていくでしょう。キャバクラのように時間制の料金にするとか、方法はあるでしょう」(同)

 この流れでいけば、売掛=悪質ホスト店となりそうだ。しかし、悪質な店、女性に売春を強いることに心が痛まない悪質ホストは売掛という言葉を使わずに、同じようなことを続けるかもしれない。

「もともと客が売掛を払いきれない場合、ホストが立て替えて払っていました。売掛がなくなっても、客とホストの個人間のカネの貸し借り、つまり立て替えが残るといわれています。もし〝売掛禁止条例〟などが施行されても、立て替えは店としては抜け穴となります。ほかに裏で闇金をやって、そこで現金を借りさせてから店に来させることも考えられます」(同)

 とはいえ、売掛撤廃の方針はホストクラブおよび歌舞伎町健全化の大きな第一歩だろう。