プロ野球阪神の38年ぶり日本一を受け、地元で「380円」「38円引き」など、この数字にちなんだセールが行われている。トレンドワード化している38年前、1985年の優勝は東京も席巻した。
2007年に休刊した隔週情報誌「ダカーポ」(マガジンハウス)の85年末発売号が、同年の週刊誌目次頻度の集計を報じている。1位は、権力闘争下で病に倒れた政界闇将軍に関連した「田中角栄とその周辺」で頻度136、総ページ数533だった。以下、「ピンク情報&新風営法」「山口組VS一和会」「三浦和義騒動」「かい人21面相」と続き、6位に「阪神タイガース現象」がランクイン。頻度42、ページ数165。7位「王と巨人軍の問題点」を上回った。
当時はリーグ優勝が21年ぶりで、今回の18年よりブランクが長かった。しかも直前10年のうち6年がBクラスで最下位も1年あった。ファンにとって優勝の歓喜はとてつもなく大きく、その影響は東京のメディアにも及んだ。
新聞や雑誌の非スポーツ面セクションにファンの「タイガース愛」を分析する「阪神応援論」の類いの論考が掲載され、Bクラス常連化していた球団が愛される理由などが深掘りされた。東京へのアンチテーゼとしての大阪を象徴する存在という構図も、中央インテリの知的好奇心をくすぐったようだった。
当時の21年ぶりリーグ優勝は10月16日。大学生の就職活動は4年生の10月に会社訪問、11月に選考がそれぞれ解禁という建前だった。東京の企業面接では「阪神優勝について感じることは」「君は阪神ファンかね?」と問われることもあり、関心は野球ファンや関西人の枠を超えて広がった。「現象」たるゆえんだ。
しかし、熱しやすく冷めやすいのが日本人なのか。優勝から約2か月後に発行された前出「ダカーポ」は「まさに祭りの後という感の〝阪神フィーバー〟」と空気を伝えた。「往時(!)は、おかたい学者先生や批評家諸氏までくりだされて、その現象の〝学問的〟解明が行われたが、結局それもむなしく、単に阪神優勝の4文字が残ったのみ。マスコミによるフィーバー現象というのはしょせんそんなものかもしれません」と結論づけている。












