サザエさんにも勝った――。プロ野球・日本シリーズ第7戦で、阪神がオリックスに7―1で快勝。38年ぶり2度めの日本一に輝いた。日本シリーズでは、フジテレビ系が試合を中継してアニメ番組「サザエさん」(日曜午後6時30分)が放送休止になると、直近5シリーズすべてでパ・リーグ球団が日本一になる法則があった。阪神はこれも打ち破った形だ。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

〝サザエさんの法則〟は、フジ局内や野球、「サザエさん」双方のファンの間で知られている。フジ系が日本シリーズの日曜の試合を中継し、「サザエさん」が放送休止になった2010、16~18、22年の直近5シリーズはすべて最終的にパ球団が日本一に輝いている――という内容だ。フジ局員が示したデータの詳細を見ると…。

 ①10年11月7日(日)午後6時から第7戦を中継(平均世帯視聴率20・6%)。ロッテが中日に対戦成績4勝2敗1分けで日本一。

 ②16年10月23日(日)午後6時30分から第2戦を中継(同13・8%)。日本ハムが広島に4勝2敗で日本一。

 ③17年10月29日(日)午後6時30分から第2戦を中継(同11・2%)。ソフトバンクがDeNAに4勝2敗で日本一。

 ④18年10月28日(日)午後6時30分から第2戦を中継(同9・8%)。ソフトバンクが広島に4勝1敗1分けで日本一。

 ⑤22年10月30日(日)午後6時30分から第7戦を中継(同13・4%)。オリックスがヤクルトに4勝2敗1分けで日本一。

 フジ局員の話。

「『サザエさん』が放送休止になった年は、最終的にパ球団が日本一になることから〝サザエさんの法則〟と言われてきました。カツオの趣味はご存じの通り野球ですが、好きな球団は明かされていない。この法則はなぜ続くのかと不気味がられていたんです」

 阪神は38年ぶりの日本一になると同時に〝サザエさんの法則〟も打ち破った形だ。

 法則の元ネタは「サザエさんじゃんけん研究所」というサイトのデータ。同研究所では「サザエさん」の1991年11月10日放送から32年にわたり、サザエが番組最後に視聴者に向けて出したじゃんけんのグー、チョキ、パーのデータを蓄積、分析している。

 本職がシステムエンジニアで、同研究所の高木啓之さんは「阪神の38年ぶりの日本一おめでとうございます」と祝福。「サザエさん放送休止の法則といわれていますが、世間が勝手に関連付けたものなので、これまでの結果も今年の結果も実力によるものだと思います」と冷静だった。

 ちなみに、今年の「サザエさん」のじゃんけんで、高木さんの成績は17勝10敗16分け、勝率は6割2分9厘となっている。