神宮外苑再開発にサザンからメッセージだ。サザンオールスターズの桑田佳祐が2日に「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(TOKYO FM)でサザンの新曲を披露し話題となっている。タイトルは「Relay~杜の詩」。再開発に反対していた坂本龍一さんの遺志を継ぐ曲と桑田は明言。今後もさまざまな著名人がこの問題に言及し始めそうだ。
サザンは3か月連続新曲配信中で今回が第3弾だった。桑田は初オンエア前に歌詞を朗読。「誰かが悲嘆(なげ)いてた 美しい杜が消滅(き)えるのを」と始まり、「麗しいオアシスが アスファルト・ジャングルに変わっちゃうの?」「未来の都市が空を塞いで良いの?」「知らないうちに決まってる」という内容だった。
桑田はタイトルとなった「Relay」について、「『Re』は後ろにという意味で、『lay』は残すというラテン語。転じて今はつなぐとか引き継ぐとかの意味で使われている」と説明。また、「いわゆる神宮外苑再開発という問題がありまして、私もボヤっとしていてよく知らなかったけど、3月に亡くなった坂本龍一さんが提示していただいたことがいっぱいあって、この問題もその一つで、それを受け止めて作った曲といっていい」と話した。
神宮外苑はサザンにとって45年間使用していたスタジオが近くにあった縁があり、「この界隈には思い入れがあり、言い換えれば、ふるさとのような場所。私なりに調べてみて、非常にもったいないという気がしてこの歌詞となりました。四の五の説明はしないが、この歌詞の中に思いは詰め込んだつもりです」と明かした。
さらに、「『早く言ってよ』とか自分の中の違和感みたいなものを明確にしないとやっぱり自分に返ってくるんですかね、人生はブーメランだと思うようになりました」と語り、番組最後も「自分にとっても大切な故郷を思って作った曲です」と思い入れの深さを強調していた。
サザンといえば「ピースとハイライト」(2013年)でも国際情勢を意識して平和を歌うなど社会性のある曲を過去にも発表し、話題となってきた。今回の新曲もすでに再開発に反対や慎重な考えをする人たちのなかで好評を博している。
坂本さんだけでなく作家の村上春樹氏も反対の声を上げていたが、再開発慎重派の関係者からは「有名な方が声を上げると世論への影響が大きい」とより多くの有名人が言及することを望む声がある。「坂本龍一と神宮外苑を心配する」というサイトでは細野晴臣、UA、鶴田真由、小山田圭吾らが〝心配〟のコメントを寄せている。
都政関係者は「再開発がニュースになる頻度は少なくなりましたが、反対活動は活発です。今週も記者会見や抗議のスタンディングが行われる予定です」と指摘。サザンの新曲で再び再開発に光が当てられそうだ。