【我ら演歌 第7世代 5人が駆ける】「演歌第7世代」の中で、弟的存在なのが青山新(23)だ。「第7世代」が集まったステージでは「先輩をイジる後輩」という立ち位置で、ファンからの支持を集めている。歌、トークと同時に、最近ステージで大事にしているのが“腕立て伏せ”だ。体調が悪くて披露しないとファンが残念がるほど、青山の代名詞になっている。

 2020年2月にテイチクエンタテインメント創立85周年、芸映創立60周年記念アーティストとしてデビューした。辰巳ゆうと、二見颯一、新浜レオン、彩青とともに一昨年から「演歌第7世代」の一人としても活躍している。青山は「最近では『第7世代をやってるよね』って言われることもあるし、演歌ファンには浸透してきたかな」と人気を実感する。

 若手5人が集まることに「楽しさもあるし、テンション上がりますよね。なんか新しい風が吹くかもしれないって勢いも感じたりはします」。それでも「僕はデビューが一番遅かったから後輩なので、みんなが仲良くしてくれるけど、やっぱりどこかライバル視しているところもあるし、そういうちょっとバチバチしたところも楽しいのかなって思ったりします」と同世代ながらの刺激も感じている。

 5人の中で“長男格”は辰巳だ。「やっぱり辰巳さんは視野が広いというか、トークでも全体を見て、全員がうまく話せるように回してくれる。ステージ上でも助けていただいたこともあります」(青山)

 ラジオ番組に一緒に出演した時も「生放送の番組で、CMまで残り30秒余ってしまった時があるんです。その時、最後まで話をしてくれたのが辰巳さん。トークもうまいし、場数も踏んでいるし、そういうところを見ていると、僕も勉強しなきゃいけないなって思います」。

 最近では歌だけではなく、トークで爪痕を残そうとしている。「言葉数は少ないんですけど、先輩をイジるというか、何かちょっとしたツッコミを入れるようにはしてたりしますね。生意気な感じなキャラクターなんですが、それをうまく先輩方も受け止めてくれてます」

 そんな青山が今年リリースした4枚目のシングルが「女のはじまり」だ。自身にとって初めての“おんな唄”となる。「番組で西田佐知子さんの『女の意地』を歌った時に水森(英夫)先生が見てくださって、こういう歌もいけるんだって作ってくださいました」

 インパクトがあり、意味深なタイトル。「ファンの中でも賛否が分かれているみたいです。でも、僕はもらったときに絶対歌いたいなって思った楽曲ですし、かなり気に入っている。勝負の一曲だなって感じてます」と力が入る。

しっとりと歌う青山新
しっとりと歌う青山新

「演歌第7世代」として勢いを感じながらも「そこに甘えちゃいけないし、一人ひとりが頑張っていかないといけない」と考えている。

 最近ではステージで“腕立て伏せ”のパフォーマンスを披露している。「いろんな人から体の線が『細すぎる』って言われすぎたんです。だからはじめはキャンペーンに行った時、空き時間に楽屋で30回やろうって決めたんです」

 その様子をSNSなどにアップしていたところ、ファンの前でやることになった。「いまでは『みんなで数えてください』って言いながら50回やったりしています。ちょっと調子が悪くて、腕立て伏せをやらなかった時には、ファンから『今日は腕立て伏せをやらなかったので残念です』って言われたので、喜んでくれているのかな」

 腕立て伏せを続けた結果、「いままで着ていた衣装が、ちょっときつくなったかなって感じるようになったのでちょっとは成果が上がっているかもしれません」。マッチョになる日も近い!?

【演歌第1~6世代】今回登場した辰巳らの直近となる「第6世代」は、いずれも1980年代前半生まれの三山ひろし、山内惠介、丘みどりが代表格と言われる。その上の第5世代は、70年代生まれで平成デビューの氷川きよし、水森かおりら。

 世代分けに明確な基準はないようだが、第1世代は戦後歌謡の黄金時代を築いた三波春夫、三橋美智也、春日八郎らにさかのぼる。以後、美空ひばり、島倉千代子らの第2世代、北島三郎、五木ひろし、森進一といった現在「大御所」格と引退した都はるみが第3世代を象徴し、第4世代の細川たかし、八代亜紀、石川さゆりらへと続いている。

☆あおやま・しん 2000年5月30日生まれ。千葉県出身。中学時代に出場したカラオケ大会で音楽関係者の目に留まりスカウトされ、作曲家・水森英夫に師事する。20年2月5日、シングル「仕方ないのさ」でデビュー。11月19日には千葉県浦安市文化会館で「青山新コンサート2023 ただいま!おかえり!おかわり!」を行う。演歌第7世代としては10月15日に千葉県の八千代市市民会館大ホールでコンサートを開催。