【我ら演歌 第7世代 5人が駆ける】アイドル並みの人気を誇る若手男性演歌歌手5人による短期不定期連載「我ら演歌第7世代 5人が駆ける」の第2弾は、“やまびこボイス”がキャッチフレーズの二見颯一(24)だ。民謡由来の伸びやかな声でファンを魅了する一方で、自宅に制作部屋を持つなど絵画へのこだわりは強い。グッズも自らデザインを手掛けるほどで、いつかは「個展も開きたい」との野望を抱いている。

5周年記念シングル「一里塚」をリリース
5周年記念シングル「一里塚」をリリース

 2017年に日本クラウン演歌・歌謡曲新人歌手オーディションでグランプリに輝き、作曲家の水森英夫氏に師事し、19年にデビューした。今年はデビュー5年目で、記念シングル「一里塚」をリリースした。

 その二見が「レコード会社も事務所も違うし、5人全員が、ここまで続くと思ってなかったと思う」と本音をこぼすのが「演歌第7世代」だ。二見、辰巳ゆうと、新浜レオン、彩青、青山新の同世代の5人が集まりファンを魅了している。5人そろったステージでは「1人が歌っていたら、他の4人が後ろで見ていたり、2人で歌うと、他の3人が横で盛り上げたりしている。いつも近くで見られているので、いい意味で緊張感がある」と刺激を感じている。

 さらに「辰巳さんは浪曲が得意ですし、新浜さんは振り付けをしながら歌う。演歌ではなかなか見ないので、本当に勉強になります」。

 昨年8月に最年少の彩青が20歳となり、5人での会食を解禁したものの、いまだ実現していない。全員ではないとはいえ、数人で一緒に食事に行くことはたびたびある。「彩青くんとは家が近いので食事に行ったりしますが、やっぱり新くんとは長いですから。家に来たりもする」

 二見と青山は同じ水森門下生で、「僕が宮崎出身なので、新くんが『マンゴー食べたいです』って言うんです。無理でしょって思ってたんですが、その話を母にしたら、母が新くんの事務所にマンゴーを送っていた」。こんなプライベートな話を「第7世代」のステージですると「ファンも喜んでくれるんですよね」。

 デビュー直後、コロナ禍となった。「外食できないので料理を始めました。ユーチューブでその料理を作っている様子をアップしたりしていた」。それまでカップラーメンにお湯を注ぐ、お米をとぐといったことしかできなかったが「何度も失敗しましたが、ブリ大根は得意料理の一つになりました。それに宮崎の郷土料理でもあるチキン南蛮とか冷や汁とか。いまの時期は冷や汁はすごいおいしいですよ」と胸を張った。

ライブでにこやかトーク
ライブでにこやかトーク

 絵を描くことに関しては玄人はだしだ。「水彩、アクリル画とか、デジタルでも描いています」。自分のグッズもすべて自身でデザインしたもので「デビューする時に『どうしてもグッズのデザインだけはさせてください』とお願いしてやらせてもらっています」。

 小さい頃から絵を描くのが得意で、「小学生のころに水木しげる先生の描く妖怪に憧れて、自分でも描くようになった。周りの人を怖がらせたくて、怖いもの、もっと怖いものを描きたいって思っていた」。

 自宅には絵画のための専用部屋を持っている。

「休みの日は無心になって、ずっと絵を描いているときもあります。いろんな意味でストレス発散になっているのかもしれません」

 歌の世界では八代亜紀が絵画で高い評価を受けている。「八代さんにも絵を見ていただいたことがあります。『いい絵を描くね』って言ってもらえました」。今は多忙のため、なかなか絵を描く時間を確保できないが「時間ができたら、いろいろな作品も描いてみたいし、将来は個展も開きたいですね」と夢は膨らむばかりだ。【次回は青山新】

 ☆ふたみ・そういち 1998年10月26日生まれ。宮崎県出身。5歳から民謡を習い、2017年に日本クラウン演歌・歌謡曲新人歌手オーディションでグランプリに輝いた。19年「哀愁峠」でデビュー。21年に「日本ゴールドディスク大賞」の「ベスト・演歌/歌謡曲・ニュー・アーティスト」受賞。今年7月に初のベストアルバム「やまびこベスト」をリリースした。演歌第7世代として8月26日に東京・昭島市のFOSTERホール、10月15日に千葉県の八千代市市民会館大ホールでコンサートを開催。

【演歌第1~6世代】今回登場した二見らの直近となる「第6世代」は、いずれも1980年代前半生まれの三山ひろし、山内惠介、丘みどりが代表格と言われる。その上の第5世代は、70年代生まれで平成デビューの氷川きよし、水森かおりら。

 世代分けに明確な基準はないようだが、第1世代は戦後歌謡の黄金時代を築いた三波春夫、三橋美智也、春日八郎らにさかのぼる。以後、美空ひばり、島倉千代子らの第2世代、北島三郎、五木ひろし、森進一といった現在「大御所」格と引退した都はるみが第3世代を象徴し、第4世代の細川たかし、八代亜紀、石川さゆりらへと続いている。