平幕Vも夢じゃない。大相撲名古屋場所9日目(17日、愛知県体育館)、幕内北勝富士(31=八角)が幕内王鵬(23=大嶽)を一方的に押し出して快勝。幕内で勝ち越しの〝一番乗り〟を決めた。自身にとっても、勝ち越すこと自体が昨年秋場所以来5場所ぶり。取組後は「本当にうれしい。ずっと遠ざかっていたので、こんなに早く勝ち越せるとは思わなかった。びっくり」と自分でも驚いた。コロナ禍が明けて、本場所開催中の外出制限が解除されたことも〝追い風〟にしている。

 北勝富士は「(宿舎に)缶詰めになるより、外に出てリフレッシュできるのが一番。別に遊びに行くわけじゃないけど、おいしいご飯を食べられる。テークアウトではなく、おすしをその場で握ってくれるだけでも違う」と大歓迎。場所も後半に入り「サウナが大好き。制限があるときは入れなかったので。まだ場所中は1回しか行っていないけど、勝ち越したので隙を見て行こうかな」と、取って置きの気分転換も視野に入れている。

 秋場所前の9月2日には東京・両国国技館で師匠の八角理事長(元横綱北勝海)による還暦土俵入りが控えていることも、発奮材料だ。師匠が赤い綱を締める晴れ舞台で、太刀持ちを兄弟子の君ヶ浜親方(元関脇隠岐の海)、露払いを北勝富士が務める。「そこまで意識はしていないけど、花は添えたい。隠岐の海関は引退していますし、現役は僕だけなので」と思いを口にした。

 9日目を終えて、1敗で先頭に立つのは関脇豊昇龍(立浪)、幕内錦木(伊勢ノ海)を含めた3人。北勝富士は「最低ラインは勝ち越し。そこから先は(後から)ついてくる」と気持ちを引き締めた。