フェンシング女子フルーレの東晟良(せら=23、PEAKS)は、好スタートにも慢心なしだ。

 5月5日のW杯ブルガリア大会からパリ五輪の出場権を懸けた選考レースがスタートした中で、先月のアジア選手権では金メダル(団体)と銀メダル(個人)を獲得するなど、国際大会でも実力を遺憾なく発揮した。世界ランキングも日本勢トップの3位に浮上し、2日のオンライン取材では「特に大きく変えようと思ったところはないが、ちょっとずつ自信を持てるようになってきた」と手応えを口にした。

 ただ、楽観視はしていない。「やっぱり強い人は大事な時期に成績を残しているので、ここからの本番でしっかり実力が試されると感じている」と現状を冷静に分析。その上で22日に開幕する世界選手権(イタリア・ミラノ)に向けて「イタリアの前にフランスで合宿をするので、練習をいっぱいして調整して試合に挑みたい。まずは自分を出し切ることと。目標は個人と団体の両方でメダルを取ること」と意気込んだ。

 春先には連戦を通じて健康の重要さを再認識したという。「体が元気じゃないとベストコンディションに持ってこれない。パリ五輪まであと1年、ケガをせずに、その中でもしっかりと体を鍛えて強くなりたい」。メダルを逃した東京五輪の悔しさをバネに、パリロードを突き進んでいく。