ポケモンが狙われている。東京・秋葉原の店舗から「ポケットモンスター」のカード約1500枚(115万円相当)を盗んだとして、警視庁は沖縄県の男を窃盗の疑いなどで逮捕した。ポケモンカード(ポケカ)は人気トレーディングカードで、珍しい商品は高値で取引されている。それだけに闇バイトのターゲットになっているというからとんでもない話だ。

 逮捕されたのは沖縄県浦添市の職業不詳、大森正樹容疑者(35)。容疑を認めており、「ツイッター上で求人に応募して指示を受けてやった」と話している。犯罪の実行役を募る「闇バイト」だったとみられる。指示役から百数十万円の報酬を提示されていたが、支払われなかったという。

 逮捕容疑は4月12日午前5時ごろ、東京都千代田区の店舗のガラスを工具で割って侵入し、カードを盗んだ疑い。大森容疑者は事件前日に沖縄から飛行機で移動していた。待ち合わせた男から工具類を持たされ、犯行後はこの男にカードを渡したとみられている。1枚16万円で売られているカードもあったという。

 トレーディングカードゲーム(TCG)のポケカは1996年に発売された。2016年に発売20周年を迎えた際にユーチューブの公式チャンネルを開設し、新カードの発売サイクルを早めるなどしたところ、18年ごろから大ブームになった。それに伴い、レアカードの転売や買い占めが問題になっている。

 日本だけでなく米仏中など海外でも大人気で、世界約80か国で430億枚以上出荷されている。人気過ぎて各国でもポケカを巡り事件が起きてしまっている。中国では21年に上海の税関で偽造ポケカ7・6トンが押収された。米国では22年にTCGショップが襲われ、約3500万円のポケカが盗まれ、今年5月に犯人が逮捕された。日本のTCGブームをけん引したのがポケカで、市販されている数百円のパックや5000円台のボックス売りを買うと、中にレアカードが入っていることがある。これをメルカリやカードショップで転売することで利益を得る膨大なマーケットができている。レアカードの中には転売市場で1枚10万円どころか、100万円、さらには600万円という値段で販売されるものもある。さらに言い値ではあるが、3300万円で販売されたことが話題になった。

 元暴力団関係者は「反社が好きなものは、仕入れ値がきわめて安く、転売したら何百倍もの利益を得られるものです。ポケカは市販を買っても安いし、闇バイトに強盗させたらタダのようなもの。カードは薄いので何百枚を手元に置いてもかさばらないし、転売の際に運びやすい。高級腕時計のようにシリアルナンバーがないので転売しても足がつかない。ポケカをボックスでごっそり買って、レアを転売するのはシノギの一つになっていたといいます。それが昨年ごろから、カードショップの防犯意識が薄いというところに目をつけ、強盗という犯罪になってしまいました」と指摘する。

 しかも、ポケカは今が最高値かもしれないという。「渡航規制が緩和され、海外の観光客が秋葉原や中野、池袋あたりのカードショップに来て、ごっそり買っています。ポケカは今が最高値だと思われます」(同)

 ポケカ強盗はかなり起こっている。ひょっとしてビックリマンシールのように、シールの盗難や恐喝事件が社会問題となったため、行政から“射幸心をあおるので、レアの封入率を一定にせよ”などと指導が入るかもしれない。