シンガポールの格闘技イベント「ONEチャンピオンシップ」が、元K―1の世界3階級制覇王者・武尊(31)と独占複数試合契約を結んだ。これに興奮を抑えきれない同団体のチャトリ・シットヨートンCEOが、胸中を激白。日本市場での苦戦が続いたが、立ち技界のカリスマと手を組んだことを機に反転攻勢をかけるつもりだ。

 正式に武尊との契約を発表したチャトリCEOは「日本格闘技史上初めて、ストライカーが世界進出をすることになる。それは、日本にとっても私たちにとってもエキサイティングなことだと思います」と力説。契約後のスケジュールについて「我々は現在、中東での大会を予定していて、そこに武尊選手が出場するのもいいと考えています」とプランを明かす。その上で「日本で彼の試合を見られるのは、あと1回になると思います。彼はこれから3年くらい現役を続けると思いますが、僕たちは彼を世界に連れていくつもりです」と海外での試合が中心になると説明した。

 母親が日本人のチャトリCEOにとって、ルーツである日本での成功は悲願だ。だが「ONEは世界各国で人気が上昇しています。しかし、日本では人気が低迷してきた」と、独自の格闘技文化が根付く日本市場に食い込めなかったと唇をかむ。だからこそ「武尊選手の存在はこれからONEが日本での人気を得ていく上で、明るい兆しだと思います。これまで、ONEの水準が高すぎて日本人が勝てなかったのが最大の問題だった。それを彼なら壊してくれるでしょう」と期待しているというわけだ。

 さらに国内ではなく、海外で成功することで武尊のさらなる人気増につながると見ている。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手を引き合いに「日本は、日本人が海外に出て成功するストーリーがすごく好きですよね。だから世界進出というのは、彼にとっても私たちの日本進出にも大きな〝引き〟になると思います」と語気を強めた。

 最後にチャトリCEOは武尊が描く団体の垣根を払った「日本 vs 世界」の対抗戦実現に「あり得ると思います。とても興味深い」とうなずき、前向きな姿勢を見せた。日本の立ち技界最大のスターと組み、どんな流れをつくるつもりなのか…。その手腕に注目だ。