K―1創始者の石井和義・正道会館館長(69)が、1年ぶりに公式戦に復帰したぱんちゃん璃奈(29)に〝辛口エール〟を送った。

 ぱんちゃんは22日のキックボクシングイベント「KNOCK OUT2023 vol.1」(後楽園ホール)で1年ぶりに公式戦復帰し、ワン・チンロン(22=台湾)と対戦。積極的に前に出てくる相手を中盤まで攻めあぐねたが、ジャブや前蹴りローキックをヒットさせてダメージを蓄積させ、判定2―0で辛勝した。

 ぱんちゃんは昨年12月、那須川天心と武尊の直筆サイン入り限定ポスターを偽造し、販売するとうたって代金をだまし取った疑いで、兵庫県警垂水署に逮捕された。その後、2月に謝罪会見を行い、3月5日の代々木大会のエキシビション戦でリング復帰。坂本瑠華とパンチのみのルールで対戦し、その後10日に不起訴処分が確定した。

 このトラブルからの復帰戦で白星のぱんちゃんは試合後、観客に改めて謝罪。「世界の舞台に皆さまを連れていきたいと思っているので、これからも見習っていただけたらうれしいです」と再出発に力を込めた。

 この試合を石井館長はリング下で観戦。4月頭にKNOCK OUTの運営から依頼されぱんちゃんの練習を見た縁があり、復帰戦の会場に駆けつけた。まずは「まだ体調も本調子ではないでしょうから。今日は頑張って勝ったので。次につながるような戦いをしたというのは運を持っているということ。これから頑張ってほしい」と勝利を祝福。しかし、試合内容に話が及ぶと一転し、厳しい口調になる。

リング下で観戦した石井和義氏
リング下で観戦した石井和義氏

「押して、まっすぐ下がって、また押しての繰り返しでしたね。(相手の)横に入らないし、力も抜いていないし、攻撃も単発だし。ロングの距離でパンチを打ててないですから。中間距離とか接近戦でもちゃんとパンチを打てるように練習しないといけない」

 自身の行った指導も振り返り「1日くらいではなかなか直らないよね。力んでるし、パンチが押しているし、上体が流れている」と指摘。その上で、現在フリーとして活動しているぱんちゃんに「今の状態であっち行ったりこっち行ったりして練習していたら(指導が)バラバラになるんですよ。だから自分が『これだ』というところにちゃんと城を決めて練習しないとダメなんです。そうでないとムエタイも中途半端、ボクシングも中途半端、キックも中途半端になる」と金言を送った。

 厳しい言葉も、応援する気持ちがあるからこそ。石井館長は「でも、1年ぶりの復帰戦であんなことがあってプレッシャーの中でリングに上がって、最後までめげずに戦うメンタルの強さは持っているので、まだまだ伸びしろがたくさんあるということ。あとはしっかり、リングで戦いを見せていくしかないですから」と期待を寄せる。

 そして最後に「もちろん、縁ができたのでいつでも稽古は見ますよ」と話した。再出発を果たしたぱんちゃんだが、ここからリングで強さを発揮していきたいところだ。