ここにきて発酵食品や酵素の注目度が増している。もともと「健康にいい」、主として胃腸など「おなかにいい」と思われてきた。しかし最近は、必ずしもそれだけではない効果も着目されているのだ。専門家に発酵食品や酵素に注目すべき理由や、効果的な取り方を聞いた。
【酵素と発酵食品は世界中で愛好されている】
我々の身近な発酵食品といえば、しょうゆ、みそ、納豆、漬け物などが代表的。日本だけでなく、韓国のキムチ、欧米でもヨーグルト、発酵バターなどをはじめ世界中に存在している。
発酵食品に多く含まれるのが酵素である。それとは別に、体内の消化や代謝などの化学反応を助ける消化酵素と代謝酵素がある。消化酵素は唾液に含まれデンプンを分解するアミラーゼ、胃液に含まれタンパク質を分解するペプシンなどが代表格だが、それ以外に新陳代謝や血液循環の促進、老廃物の排出、免疫力の向上などに関与しているのが代謝酵素である。
酵素は体内で生成されるが、それとは別に外部から食事として発酵食品などを食べることによって取り入れることができる。特に発酵が十分に進んだ食品で豊富に酵素を摂取すると、体内で消化するために消化酵素を浪費することなく代謝酵素が活用される。そのため新陳代謝や血液循環の促進、老廃物の排出、免疫力の向上などが促進されるわけだ。
長時間熟成した発酵食品であるほど酵素を体内に取り入れやすく、酵素は働きを十分に発揮する。特に腸内環境を整える作用は古今東西共通して知られており、乳酸菌や酵母、麹などの微生物によって発酵を促した発酵食品が愛好されている。
【脳や神経にも影響する発酵の力】
腸の中には多種多様な細菌が生息しているのはご存じの通り。この腸内の細菌の集まった状態を腸内フローラという。酵素は、この腸内フローラを良い状態に保つ効果があることが昔から知られていたが…。
「発酵食品というと、まずは下痢や便秘などにいいと思われていますが、それだけではなく、脳にも影響があることが最近では重視されるようになっているのです。専門用語で『脳腸相関』と言い、腸内フローラの悪化が認知症やパーキンソン病、頭痛などの神経内科領域、うつ病などの精神科領域にも悪影響を及ぼすことがわかっています」
こう説明するのは、東洋医学と栄養学を専門にする医学博士の大内晃一・東京医療学院大学講師だ。
酵素が腸内だけでなく脳や神経にまで影響があるとは一般にはあまり知られていないようだ。大内博士の専門である東洋医学では五臓六腑と食物との関連性を重要視し、発酵食品は主として体を温める効果があるとされている。体温が下がると基礎代謝や免疫力が低下し、がんや動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病や、アレルギーなどの自己免疫疾患にかかるリスクが出てくるので、酵素の摂取が注目されるようになっているという。
そんな酵素をどのように取れば効果的かについて、来週、詳しく見ていこう。













