コロナ禍に緊急事態宣言が出された2020年春、私はアルコール依存症になりかけたことがある。それは業務用の5リットルのウイスキーを買ったことから始まった。不要不急の外出をするまいと思い、ストックとして買ったのだが、これがとんでもない悪習慣を身に着けるトリガーになってしまった。
基本的に私のような酒好きは、いったん酒を飲み出し、酔っぱらうと「止め時」がわからなくなる。さらに家飲みは原価で酒が飲めるのでなおさらだ。当時、最初は「1杯だけにしよう」と心に決めていた。だが、「炭酸の気が抜けちゃうし、あと1杯」となり、しまいには炭酸よりもウイスキーの量のほうが多い「超濃いめのハイボール」を泥酔するまで飲むようになってしまったのだ。私の場合は幸いにもアルコール依存症にならなかったが、こうした経験から酒のストックはしないようにしている。
特に注意したいのが「HALT」の状態にある人だ。HALTとはアルコール依存症をはじめ、依存症の分野で使われる用語で、Hungry(空腹)、Angry(怒り)、Lonely(孤独)、Tired(疲労)の頭文字をとったものを表す。コロナ禍で実感したが、HALTの状況下、特に孤独を感じ、疲れている時は酒に「救い」を求めたくなる。そんな時に原価で飲めるストック酒があったら…、そりゃ飲むでしょ?
酒の代わりにストックするようになったのが、ノンアルコールビールである。これが効果てきめん。「今日はちょっと飲みたいな」と思っても、最初にノンアルコールビールを飲むと飲んだ気になり、酒に手が伸びなくなる。最近では炭酸水とフルーツ酢がストックに加わった。お酢の効果か中性脂肪も一時期の半分以下になり、体重は8キロ、体脂肪は5%減った。ごく稀に家飲みもするが、酒のストックがないので飲み過ぎることもない。崖っぷちに立ったからこそ、わかる酒のストックの怖さ。くれぐれも「まとめ買いがおトク」という言葉に踊らされないようにしよう。











