【今週の秘蔵フォト】 1980年代からトレンディードラマの女王として君臨し、浅野ゆう子とともに「W浅野」と呼ばれたのが浅野温子だ。
76年に山口百恵主演の東宝「エデンの海」でデビュー。この時は端役だったが、77年にTBS系テレビ小説「文子とはつ」のオーディションを受けると、審査員が浅野の素質に目を付け、急きょシナリオに新しい役を加えて“本格的デビュー”を果たした。
77年12月28日付本紙にインタビューが掲載されている。当時16歳。ストレートの髪でクールにほほえむ表情は、後のブレークを予想させるに十分だった。
「とにかく寝ているんです。気分的にそうなんですよね。家にいる時はもちろん、授業中もウトウト…。本当に出不精だしヒマなときは寝ているか本を読んでいるかのどちらかですね」
当時は都立上野高校2年在学中。B82・W56・H82のサイズは高校生に見えないというトホホな記者の質問には「えっ、そんな。これでもクラスで真ん中ぐらいですよ。でもね、最近はあまり食べられないの。すぐに太っちゃうから。ほら、身長は止まっちゃったけど横のほうにね」と屈託のない16歳の笑顔を見せた。
学校生活は「クラスでは仲良しの5人グループとしか話をしない。休憩時間は寝ているしね。だから『浅野さんってどんな人?』と聞かれて…。相づち打つのも疲れるしね」と当時から独特のマイペースを貫いていたようだ。
将来については「日本に理想とする女優さんはいないわ。ソフィア・ローレンみたいな野性味がある、個性の激しい役者になりたい」。翌年には石井聰亙監督の「高校大パニック」で好演して評価を高めた。
80年代になると「スローなブギにしてくれ」「汚れた英雄」などの角川映画で活躍。88年のW浅野による「抱きしめたい!」、91年「101回目のプロポーズ」(いずれもフジテレビ系)は高視聴率を記録し、一気に時代を代表する女優となった。その後も幅広いジャンルで活躍し、今でも全盛時の美しさは失われていない。