テレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏が各局の大みそか特番をジョークを交え独自の視点でジャッジした。歴代ワースト2位の視聴率となった紅白歌合戦(NHK)はどのように映ったのか。また紅白の裏番組の中では唯一の2ケタ視聴率を記録し2年連続民放1位となった「ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子の会」(テレビ朝日)は? 新春早々、忖度なしのデーブ節をさく裂させた。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 今回の紅白歌合戦第2部の平均視聴率(世帯)は前年より1ポイント増えて35・3%。過去2番目に低い数字となった。

 それでもデーブ氏は「前回が放送事故に近かったから、今回はさすがに原点に戻って制作レベルも高く、めでたい感じもあった。打ち切り騒動も払拭して、次も堂々と作れるという大事なハードルを越えられた」と評価した。今回の出場歌手は実力派がそろったと言われている。「そもそも忖度歌合戦だから。今回は精一杯、歌唱力のある人を出してたとは思うけど、そうでない人は訳アリと思って割り切るしかないよね」と話した。

 紅白同様に評価したのがテレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」。「昔のVTRを使って懐かしさも程よく演出してたし、そもそも紅白がああいう感じだった。ゲストの数もすごくて、別タイトルを付けるなら安否確認歌謡ショーだね(笑い)」。その後に放送されたドラマ「孤独のグルメ2022大晦日スペシャル 年忘れ、食の格闘技。カニの使いはあらたいへん。」にも言及し「独自路線を貫いたよね、もともとテレ東が孤独なので」とシニカルに笑った。

 一方で他の民放各局には「物足りなかった」と厳しいジャッジを下した。20年大みそかを最後に「笑ってはいけない」シリーズを休止した日本テレビは「笑って年越し! 世代対決 昭和芸人VS平成・令和芸人」(日本テレビ系)で勝負した。

 デーブ氏は「生放送の部分を多くしてハプニング性を狙ったけど『笑ってはいけない』はコンセプトが最高の笑い。今年こそやるというウワサになってるけどダメだったらBPOの人たちを並べてケツバットやったらいい」と復活を熱望した上で「コンプライアンスとかネットの反応を気にし過ぎてるからテレビがつまらない。それを覆せるのはテレビだけなんだよ」と熱弁を振るった。

 テレビ朝日の「ザワつく!大晦日 一茂良純さち子の会」は2年連続で民放トップに輝いた。「テレ朝全体が大人の民放という感じでスタジオとお茶の間の温度差がない。石原良純さんが天気予報士だけあって空気を読める。あの人うまいんだよ(笑い)」と安心感を評価する一方で「レギュラーで成功して、特番もやってるし、大みそか感がない。出演者の好感度が高いから見ている」とお祭り感の欠如を指摘した。

「THE鬼タイジ 大晦日決戦~鬼と氷の女王~」(TBS)と「逃走中~大みそかSP お台場大決戦!~」(フジテレビ)の話になると、一気にデーブ氏の口は重くなった。かつて格闘技で視聴率争いをしていた両局だが「視聴者ターゲット丸かぶりで、しかも少ないパイを取り合ってる」とバッサリ。「逃走中は視聴者が逃走中(笑い)。自分の周りで作ってて夏休みにどこも行かないで庭でテント張ってる感じだよ」と皮肉った。

「TBSも同じようなことやったけど少なくとも日光にロケに行ってるからね。さかのぼると『風雲!たけし城』がルーツで、TBSの伝統で制作はうまいけど、だからといってずっと見ようと思わないよ」と手厳しい。

 全て終わったところで唐突に「番外編として褒めたいのはMXテレビ。『トラック野郎』を2本立てでやっててMXらしくっていいよね。特別賞でもいいんじゃない」と称賛した。ちなみにデーブ氏は同局の「バラいろダンディ」でコメンテーターを務めている。忖度の可能性については言葉を濁していた。

【デーブ氏採点】
NHK   85点
テレビ東京 80点
日本テレビ 75点
テレビ朝日 70点
TBS   60点
フジテレビ 50点
MXテレビ 特別賞