誤算はどこにあったのか。ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(33=志成)はWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)との2団体王座統一戦(31日、大田区総合体育館)で判定0―1の引き分けに終わり、王座統一に失敗した。

 試合は積極的に前に出てくるフランコと、ボディーとカウンターで有効打を積み重ねる井岡が一歩も譲らない展開。ジャッジは1人は115―113でフランコを支持したが、2人が114―114。判定は井岡の0―1の引き分けで、両者がそれぞれ保持する王座を防衛という予想外の決着となった。

 井岡の勝利を支持したジャッジは一人もいなかったが、井岡本人は「自分のなかの感覚では正直『勝っているかな』という思いがあった」と明かす。本紙の取材に応じた佐々木修平トレーナーも「圧倒的な勝ちではないというのは理解していたんですけど、『勝っただろう』と思ってたんです。向こうの方が手数が多かったですよね。ただ的確に当てていたのはこっちだと思っていたので」と振り返った。

 井岡陣営としてはプラン通りの戦いができたという自負があったという。とはいえ想定外の出来事があった事実は否めない。佐々木トレーナーは「ブロックが長くならないようにコーナーからは指示が出ていたんですけど、そこが響いたのかなと。負けはないかなと思ったんですけどね…。最後まで相手の前進と手数が止まらなかったので、そこがちょっと想定外だったなと。あのくらいしっかりパンチ当ててコントロールすればちょっと(動きが)落ちてくるだろうと(思っていた)」と、予想以上のフランコのタフネスを大苦戦の要因に挙げた。

 試合を通して見ればフランコがパンチを出している時間が長く、井岡がロープを背負うシーンも多く見られた。それだけにネット上では「井岡が負けていた」という声もある。佐々木トレーナーも「もうちょっとリードブローとか、(井岡から)前に出る展開を作れたらよかったかなと思いますね。圧倒的にゲームメークしていかないと…そういう声にも耳を傾けないといけないかなと思います。もう1回試合を見たいですね。やっぱりセコンドから見る展開と客観的に見る展開は少し違うと思うので」と真摯に受け止めた。

「本当にプラン通りに戦った試合だった。ただそれがジャッジに反映しなかったので、反省点は必ずあると思う。そこはちょっとこれからしっかり映像を見てチーム全体で話し合っていかないといけないなと思います」(佐々木トレーナー)。念願の王座統一こそ逃したものの、WBO王者であることに変わりはない。この日の悔しさを糧に、井岡はさらなる進化を遂げることができるのか――。