旅作家・タレントの歩りえこ(41)が、40歳にして初の写真集「スフィア」(講談社)を発表。大きな反響を呼んでいる。20代にはバックパッカーとして5大陸94か国を一人旅。著書「ブラを捨て旅に出よう~貧乏乙女の“世界一周”旅行記」は4万2000部のヒット作となった。30代では結婚、出産、離婚、闘病を経験。今回、40歳にしてヘアヌードに挑戦した理由は何なのか。波瀾万丈の生きざまと現在の胸中を聞いた。

 
写真集「スフィア」から(ⓒ山岸伸 講談社2022)
写真集「スフィア」から(ⓒ山岸伸 講談社2022)

――40歳にしてヘアヌードに挑戦した契機は

 歩 大好きだった祖母の死がキッカケです。昨年11月に98歳で亡くなったのですが、最期は脚が棒のように細くなって。ペルーで生まれ、1人で海外を旅行するはつらつとしたすてきな女性だったんです。女性が行かないようなマチュピチュとか南米まで80歳で積極的に出かけ、憧れの人だった。喪失感と同時に女性として輝いていても最期はこうなるんだ、と考えた時、若々しい肉体は永遠のものではないと思ったんです。

 ――喪失感が大胆な行動を呼んだ

 歩 様々なことが重なり、女性として40歳が転機になると考えた時、現在の自分の肉体を(記録として)残しておきたいと思いました。ちょうどその時、写真集のオファーがあったんです。「あ、これは呼ばれているな」と直感で感じた。祖母の死が引き合わせてくれたんだと3分で決めました。迷いはなかったです。

 ――内容にも満足している

 歩 どうしても出産を経験すると乳輪が広がってしまう。20代の時の桜色の乳首は見せたかったかなと。でも20代は水着は別として、人様に自分の裸を見せるものではないという考えがあったので、乳首やヘアを見せるのは抵抗があった。40歳になって自分が縛られていたものから解放されたと思います。100点満点の納得できる作品になりました。

 ――売れ行きも好調だ

 歩 私を好んでくれている男性が50歳から80歳の方なので、シニア層の方に見ていただければ。ちょうど年齢的にハマったのかなと。「母性」を感じてほしい。すべてを包み込むような優しさ。女性はもちろん、癒やしが必要な男性に見ていただきたい。(撮影前は)ふくよかさを出したかったので減量した後に、卵かけご飯を3杯食べたりして体重を戻しました。おかげで胸の大きさ(98センチHカップ)は保てました(笑い)。

写真集の表紙(ⓒ山岸伸 講談社2022)
写真集の表紙(ⓒ山岸伸 講談社2022)

 ――30代は波乱の連続だった

 歩 結婚後、立て続けに出産して離婚しました。2児(7歳と6歳)の母としてシングルマザーで奮闘してます。それと子宮頸がんの一歩手前になり、今年夏に子宮頸部円錐切除の手術をして、今は3か月ごとに経過観察をするまで回復しました。やはり女性にとって40歳って節目なんですね。

 ――逆境からのバイタリティーを感じます…。次の目標は

 歩 本を出したい。一番売れた「ブラを捨て――」は旅した94か国中、20か国しか書いてないんです。内容がコミカルなものだったので、まだ触れていない74か国について、もっと深掘りしてリアルに生きている地元の人たちを描くような続編を書きたい。写真集も今度は和風テイストで温泉旅館などでしっとりとしたものを出せればと…。

 ――お子さんの反応は

 歩 まだ見せてません。写真集の印税は全部子供たちの大学費として学資保険に回します。中学生ごろになったら「これで大学行けるんだよ。私立でもどこでも行きなさい!」と見せたい(笑い)。「お母さん、ここまで頑張ってくれたんだ」と受験勉強にも身が入ると思う。だから売れ続けてほしいです。

 ――20代には海外で壮絶な経験を重ねた

 歩 ナイロビの治安が悪い場所で銃声が聞こえてきて、殺されると思い頭のおかしい人のふりをして石の入った袋を振り回して「ワーッ!」と声を上げながら走りました。イエメンではラマダンで禁欲中、町で30人ほどの男性が集まってきて集団痴漢されたり、アルゼンチンでは首絞め強盗に遭いフルボッコにされ、エチオピアでは裸族にトイレやシャワーをのぞかれました。

 ――すごすぎる。裸族まで魅惑する裸体とは…

 歩 何があってもなんとかなるという気持ちが自信になったし命の危険さえなければ「ラッキー! 本のネタになる」と考えるようになった。想定外のことが起きても自分で責任を取ればいい。苦労を楽しめるタイプなんです。今の若い人ももっと自分を解放してほしいですね。

 ――執筆と写真集に加えて今後の目標は

 歩 フィリピンが好きなのでナガとレガスピ(中部の離島)には行きたい。海外での短編ドキュメンタリー撮影もやりたいし、子供が大学に入る頃にはまた世界へ旅に出たい。中央アジアと中米、アフリカの南と西などまだ行っていないエリアがあるので。80歳になってもリュックひとつでポーンと旅に出る、かっこいい破天荒なおばあちゃんになりたいなと思います。

☆あゆみ・りえこ 1981年生まれ、東京都出身。旅作家・タレント。清泉女子大学文学部卒。5大陸94か国を旅して5冊の著書がある。「固定観念を捨ててもっと自由に生きよう」をテーマに、執筆、グラビアなど幅広いジャンルで活動中。代表作「ブラを捨て旅に出よう~貧乏乙女の“世界一周”旅行記」は、20年に水原希子主演でHuluでドラマ化された。身長160センチ。